臨床計算ツール

4AT(せん妄・認知機能障害のスクリーニング)

覚醒度・見当識・注意・急な変化の4項目で、せん妄の可能性を調べる

あと 4 項目

[1] 覚醒度

患者をよく観察して評価する。眠っていれば、声をかけるか肩にそっと触れて起こし、名前と住所を言ってもらう。著しい眠気(起こしにくい・明らかに眠そう)や、興奮・多動のある患者を含む

[2] AMT4(見当識の簡単な質問4つ)

年齢・生年月日・場所・今の年を尋ねる。間違いの数で選ぶ。場所は、病院や診療所など、いる所を適切に言えれば正解にする(正式名称までは要らない)。眠気や発語の障害などで意味のある答えが得られないときは「2つ以上の間違い/実施困難」

[3] 注意力(12月から逆に月の名前を言う)

「12月から逆に、月の名前を言ってください」と頼む。「12月の前の月は?」と1回だけ助けてよい。12月・11月・10月・9月・8月・7月・6月と、7か月以上言えれば0点。始めたが7か月に届かない、または始めるのを断ったときは1点。体調不良・眠気・注意の乏しさで始められないときは2点

[4] 急な変化または変動する経過(覚醒度・認知・そのほかの精神機能に、著しい変化や変動が過去2週間以内に生じ、過去24時間にも続いている)

患者の観察だけでは分からないので、患者をよく知る人(病棟のスタッフ・家族・介護者)、紹介状、診療録など1つ以上から情報を得る。幻覚や被害的な考えがないかを尋ねる(例「ここで起きていることで気になることはありますか」)と手がかりになる。情報提供者がいなくても、経過から急な変化が明らかなとき(例: 以前は自立して暮らしていた人が眠そうにしている)は「はい」にしてよい

注意

  • 項目[1]〜[3]は評価のときの患者の観察だけで付ける。項目[4]は、患者をよく知る人や診療録など1つ以上の情報源が要る。聴覚障害・失語・共通の言葉がないなど、意思疎通の難しさを考えて実施し、点数を解釈する
  • 評価できない患者も、項目[2]と[3]は「実施困難」として2点を付けて評価する(せん妄の患者に「評価不能」はない)。両方が実施困難なら4点で、せん妄の可能性になる
  • 4点以上でもせん妄の診断ではなく、せん妄は全体の臨床像から診断する。0点でもせん妄や認知機能障害は確実には除外できない。重い認知症の患者は、[2]と[3]がともに2点になって4点に届くことがあり、せん妄に対する特異度が下がる
  • 覚醒度の異常は、一般病院ではせん妄である可能性が95%を超えると公式の手引きは書く。項目[4]の変動は、認知症だけでも起こりうるが、著しい変動は通常せん妄を示す
  • 項目[4]で情報提供者の話が当てにならないときは、ほかの情報と臨床での判断を合わせて考える
  • 検証は、主に65歳以上の入院患者などで行われている(メタアナリシスの対象は65歳以上)
  • 4AT © 2011–2014 Alasdair MacLullich, Tracy Ryan and Helen Cash を、クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際(CC BY 4.0。https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)のもとで改変して使っている。元の版(公式の現行版 1.2): https://www.the4at.com/ 。この画面は、公式の 4AT(英語)を、翻訳: codeblue-calc で日本語にして入力画面に組み直した改変版で、公式の 4AT ではない(変更: 日本語への翻訳、項目の言葉と説明を自分の言葉で書いたこと、画面の形への組み直し。点数と判定の基準は公式のまま)。公式の 4AT の妥当性の根拠が、この改変版にそのまま当てはまるとは限らない。作者による推薦ではない。正確さ・目的への適合について保証はしない

出典

  1. MacLullich AMJ, Ryan T, Cash H. 4AT: Rapid Clinical Test for Delirium(4AT © 2011–2014 Alasdair MacLullich, Tracy Ryan and Helen Cash). Version 1.2(2014年10月). the4at.com. User guide and scoring.(User guide and scoring) https://www.the4at.com/userguide[ガイドライン]
  2. MacLullich AMJ, Ryan T, Cash H. 4AT: Notes on revisions. the4at.com.(Version 1.0・1.1・1.2 の変更点) https://www.the4at.com/notes-on-revisions[ガイドライン]
  3. Tieges Z, Maclullich AMJ, Anand A, et al. Diagnostic accuracy of the 4AT for delirium detection in older adults: systematic review and meta-analysis. Age Ageing. 2021;50(3):733-743.(抄録) PMID: 33951145、DOI: 10.1093/ageing/afaa224[解説・総説]

確認日: 2026-10-13

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。