ADD-RS と D-ダイマーによる急性大動脈症候群の除外
大動脈解離を疑う患者で、ADD-RS が 0〜1 点かつ D-ダイマーが 0.5 µg/mL(500 ng/mL)未満のときの除外の判定
あと 2 項目
計算式
- 閾値 = 0.5 µg/mL(500 ng/mL)
- 差 = D-ダイマー − 閾値。差が 0 未満なら D-ダイマーは陰性、0 以上なら陽性
- ADD-RS が 0 点または 1 点で D-ダイマーが陰性なら、急性大動脈症候群を除外する戦略を満たす。ADD-RS が 2 点以上の患者は、この戦略の対象外
注意
- ADD-RS が 0 点または 1 点の患者に使う戦略。ADD-RS は別のツール(ADD リスクスコア)で出す。ADD-RS が 2 点以上の患者は、この戦略の対象外
- ADvISED の対象は、胸・腹・背中の痛み、失神、灌流障害のうち1つ以上があり、急性大動脈症候群が鑑別に入る外来患者(6施設・1850人)。この戦略で除外できなかった場合の画像検査の進め方は、この原典の範囲外
- D-ダイマーの閾値 500 ng/mL は、試験で使った測定法のもの。測定法・報告の単位(FEU か DDU か)で値が違うので、施設の測定法の閾値を確かめる。このツールは µg/mL で入れる(500 ng/mL = 0.5 µg/mL)
- ADvISED の ADD-RS 0 点かつ D-ダイマー陰性の戦略で、画像検査を省けた割合(効率)は 15.9%、ADD-RS 1 点以下では 49.9%。2つの戦略とも、見逃しの割合は 0.3% で、ゼロではない(原著の結論は「標準化に用いることを考えてよい」)
- 2014年の登録研究(2施設・1035人)の ADD-RS は、診療録を後から確認して付けた点数。ADD-RS が 1 を超える患者では D-ダイマーが陰性でも見逃しが 4.2% あった。除外を示したのは ADD-RS が 1 以下の群だけ
- 2022年の ACC/AHA 大動脈疾患ガイドラインは、解離の事前確率が低い患者で D-ダイマーが 500 ng/mL 未満なら診断は考えにくく、低い大動脈解離リスクスコアと低い D-ダイマーを組み合わせるのは、診断を除外する有用な戦略になりうる、としている。どのスコアも一律に採用されているわけではない
出典
- Nazerian P, Mueller C, Soeiro AM, et al. Diagnostic accuracy of the aortic dissection detection risk score plus D-dimer for acute aortic syndromes: the ADvISED prospective multicenter study. Circulation. 2018;137(3):250-258.(抄録)(原典未見) PMID: 29030346、DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.117.029457[原著]
- Nazerian P, Morello F, Vanni S, et al. Combined use of aortic dissection detection risk score and D-dimer in the diagnostic workup of suspected acute aortic dissection. Int J Cardiol. 2014;175(1):78-82.(抄録)(原典未見) PMID: 24838058、DOI: 10.1016/j.ijcard.2014.04.257[原著]
- 単位の換算: 原著の D-ダイマー 500 ng/mL = 0.5 µg/mL(ng/mL ÷ 1000 = µg/mL。1 µg/mL = 1000 ng/mL)。閾値を換算して µg/mL の入力に合わせた(換算(ng/mL ÷ 1000))[式の導き方]
- Isselbacher EM, Preventza O, Hamilton Black J 3rd, et al. 2022 ACC/AHA Guideline for the Diagnosis and Management of Aortic Disease. Circulation. 2022;146(24):e334-e482.(7.2 AAS: Diagnostic Evaluation の本文(Table 23〜25 の前後)) PMID: 36322642、DOI: 10.1161/CIR.0000000000001106、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9876736/[ガイドライン]
確認日: 2026-10-15
免責
この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。