臨床計算ツール

Apfel スコア(術後悪心・嘔吐 PONV のリスク)

成人の全身麻酔後の術後悪心・嘔吐のリスクを、4つの危険因子(各1点)の数で見積もる

あと 4 項目

女性である
非喫煙者である

喫煙しない人が「はい」(1点)。どの程度の喫煙で「喫煙者」とするかの量の区切りは決まっていない(合意ガイドライン)

術後悪心・嘔吐、または乗り物酔いの既往がある

術後悪心・嘔吐の既往か乗り物酔いの既往のどちらか(または両方)があれば「はい」(1点)

術後にオピオイド(麻薬性鎮痛薬)を使う

術後にオピオイドを使うとき「はい」(1点)。量の区切りは決まっていない(合意ガイドライン)

注意

  • 術後悪心・嘔吐(PONV)のリスクを、女性・非喫煙・術後悪心・嘔吐か乗り物酔いの既往・術後のオピオイド使用の4因子(各1点)で見積もる。合計0〜4点
  • 原著の対象は、制吐薬の予防投与を受けない吸入麻酔の成人(フィンランドのオウルとドイツのヴュルツブルクの2施設)。評価した結果は、術後24時間以内の悪心または嘔吐
  • 発生率は、原著の抄録では因子が0・1・2・3・4個のとき 10%・21%・39%・61%・79%。合意ガイドライン(第5版)は、約 10%・20%・40%・60%・80% と丸めて書く。画面の帯は後者の丸めた値
  • 合意ガイドライン(第5版)の委員会は、因子が0個を低リスク、1〜2個を中リスク、3個以上を高リスクに分けている。この区分は委員会のもので、原著の区切りではない
  • 合意ガイドライン(第5版)は、因子ごとの閾値が決まっていない点を挙げている。術後のオピオイドの量、喫煙の量の区切りは示されておらず、術後悪心・嘔吐の既往は、前回の手術の種類・制吐薬の予防・麻酔の方法に左右される
  • 合意ガイドライン(第5版)は、入院患者でよく使われる評価として Apfel スコアと Koivuranta スコアを挙げる。Koivuranta スコアは、この4因子に手術時間 60 分超を加える
  • 合意ガイドライン(第5版)によると、Apfel スコアのような成人で作られた PONV の予測モデルは、小児の術後嘔吐(POV)には向かない
  • 合意ガイドライン(第5版)によると、近年は多剤を組み合わせた予防を全員に行う考え方も広がっており、その考え方は、リスクの評価で予測する意義を否定するものではない

出典

  1. Apfel CC, Läärä E, Koivuranta M, Greim CA, Roewer N. A simplified risk score for predicting postoperative nausea and vomiting: conclusions from cross-validations between two centers. Anesthesiology. 1999;91(3):693-700.(抄録)(原典未見) PMID: 10485781、DOI: 10.1097/00000542-199909000-00022[原著]
  2. Gan TJ, Jin Z, Ayad S, Belani KG, Habib AS, Meyer TA, Urman RD, Andrew B, Bergese SD, et al. Fifth Consensus Guidelines for the Management of Postoperative Nausea and Vomiting. Anesth Analg. 2025. Appendix 1: Full Report(補足資料).(Appendix 1 Full Report、Results の Guideline 1(Identify Patients’ Risk for PONV)、Risk Scores の節(p.8〜9)、Guideline 5 の小児の節(p.36)) https://cdn-links.lww.com/permalink/aa/f/aa_1_1_2025_09_14_gan_aa-d-25-00465_sdc1.pdf[ガイドライン]

確認日: 2026-10-21

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。