ARC-HBR 基準(PCI の出血高リスクの定義)
PCI を受ける患者の出血高リスク(大基準1つ以上、または小基準2つ以上)
あと 17 項目
基準
- 大: 長期の経口抗凝固薬の使用が見込まれる
- 大: 高度または末期の腎機能低下(eGFR 30 未満)
- 大: ヘモグロビン 11 g/dL 未満
- 大: 入院・輸血を要した自然出血が過去6か月以内(再発なら期間を問わない)
- 大: 中等度〜高度の基礎的な血小板減少(血小板数 10 万/μL〈100×10⁹/L〉未満)
- 大: 慢性の出血傾向
- 大: 門脈圧亢進を伴う肝硬変
- 大: 活動性の悪性腫瘍(過去12か月以内)
- 大: 自然発症の頭蓋内出血の既往(時期を問わない)
- 大: 過去12か月以内の外傷性頭蓋内出血
- 大: 脳動静脈奇形
- 大: 過去6か月以内の中等度〜高度の虚血性脳卒中(NIHSS 5 以上)
- 大: DAPT 中の延期できない大手術
- 大: PCI 前30日以内の大手術・大きな外傷
- 小: 年齢 75 歳以上
- 小: 中等度の腎機能低下(eGFR 30〜59)
- 小: ヘモグロビン 11〜12.9 g/dL(男性)、11〜11.9 g/dL(女性)
- 小: 入院・輸血を要した自然出血が過去12か月以内(大基準に当たらないもの)
- 小: 経口 NSAID・ステロイドの長期使用
- 小: 虚血性脳卒中の既往(大基準に当たらないもの。時期を問わない)
注意
- PCI を受ける患者の出血高リスクを、臨床試験で同じ基準で扱うために作られた合意(コンセンサス)の定義。臨床の判断を補う位置づけで、判定は「該当する・しない」の2つだけ(点数はない)
- 大基準は、それ1つで 1年の BARC 3 または 5 の出血が 4% 以上、または頭蓋内出血が 1% 以上になるとされる項目。小基準は、それ1つでは出血の危険を増やす(BARC 3 または 5 の出血 4% 未満)項目。満たす基準が多いほど出血の危険はさらに増えると原著は書くが、重みづけた点数にするだけの資料は無いとして、点数にしていない
- 長期の経口抗凝固薬は、血管保護の用量を除く。血小板減少は PCI の前からあるもの。活動性の悪性腫瘍は、診断から12か月以内、または手術・化学療法・放射線療法などの治療を続けているもの。脳卒中の NIHSS は来院時の値
- 「自然出血」と「虚血性脳卒中」は、大基準に当たるときは小基準に数えない(同じ出来事を二重に数えない)。この画面は、それぞれ1つの選択で、大・小のどちらかだけに当たるようにしている
- 結果の「大基準 N・小基準 M」は、画面の項目ごとに数える。原著の表は頭蓋内出血・脳動静脈奇形・虚血性脳卒中の4項目を1つの枠にまとめているので、枠の数と合わないことがある(判定は大基準1つ以上で足りるので変わらない)
- 原著の腎機能の基準は eGFR(mL/min)。この画面は、日本の検査の報告に合わせて mL/min/1.73m² で入れる
出典
- Urban P, Mehran R, Colleran R, Angiolillo DJ, Byrne RA, Capodanno D, Cuisset T, Cutlip D, Eerdmans P, Eikelboom J, Farb A, Gibson CM, Gregson J, Haude M, James SK, Kim HS, Kimura T, Konishi A, Laschinger J, Leon MB, Magee PFA, Mitsutake Y, Mylotte D, Pocock S, Price MJ, Rao SV, Spitzer E, Stockbridge N, Valgimigli M, Varenne O, Windhoevel U, Yeh RW, Krucoff MW, Morice MC. Defining high bleeding risk in patients undergoing percutaneous coronary intervention: a consensus document from the Academic Research Consortium for High Bleeding Risk. Eur Heart J. 2019;40(31):2632-2653.(表3・Defining HBR criteria) PMID: 31116395、DOI: 10.1093/eurheartj/ehz372、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6736433/[原著]
- 合同研究班参加学会(日本循環器学会ほか). 2020年JCSガイドライン フォーカスアップデート版 冠動脈疾患患者における抗血栓療法. 2020(2024年2月9日更新).(第1章 5. ARC-HBR 評価基準の策定、表8(p.14)) https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/04/JCS2020_Kimura_Nakamura.pdf[ガイドライン]
- 血小板数の単位の書き換え: 原著の表3の 100×10⁹/L 未満(指針の表8は 100,000/μL 未満)を、この画面の血小板の入力の単位(×10⁴/μL = 万/μL)に合わせて 10 万/μL 未満(= 10.0 ×10⁴/μL 未満)とした。1 万/μL = 10,000/μL = 10×10⁹/L。閾値の値は変えない。[式の導き方]
- eGFR の単位の読み替え: 原著の表3は eGFR を「mL/min」(30 未満・30〜59)と書く。指針の表8は「mL/分/1.73 m²」で同じ閾値を載せるので、入力の単位を mL/min/1.73m² とした。閾値の値(30・60)は変えない。[式の導き方]
確認日: 2026-10-15
免責
この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。