臨床計算ツール

AUDIT(アルコール使用障害同定テスト)

危険な飲酒・有害な飲酒を見つける10問の質問票。10問の点を足し(0〜40点)、WHO の4つの Zone に分ける

あと 3 項目

1. アルコールを含む飲み物を飲む頻度は

過去1年について尋ねる(WHO の導入文は「この1年の飲酒について」)。「飲まない」を選ぶと問2〜8は聞かず、問9・10へ進む(WHO マニュアルの手順)

9. あなた自身または他の人が、あなたの飲酒が原因でけがをしたことがあるか

問9・10は、問1が「飲まない」でも答える。「あるが、過去1年にはない」は2点、「過去1年にある」は4点

10. 親族・友人・医師などの医療者が、あなたの飲酒を心配したり、減らすよう勧めたりしたことがあるか

注意

  • 10問の点(問1〜8は0〜4点、問9・10は0・2・4点)を足す質問票(0〜40点)。WHO マニュアルは、8点以上を危険な飲酒・有害な飲酒(アルコール依存の可能性を含む)の目安とする。診断の道具ではなく、簡単な助言や短い介入につなげる入口
  • 区分の境目は、国の飲酒パターン・1杯のアルコール量・スクリーニングの目的で少し変わりうる、とマニュアルの Box 6 の注が書く。マニュアルの本文は、8点のカットオフで特異度を上げたいときは10点にできる(感度は下がる)こと、体重や代謝の違いから、すべての女性と65歳を超える男性ではカットオフを7点に1点下げると感度が上がることも書く。この画面は、マニュアルの Box 6 の0〜7・8〜15・16〜19・20〜40点だけで分け、国・性別・年齢による変更は入れていない
  • 厚生労働省の保健指導の手引き(厚生労働科学研究費補助金の研究班、研究代表者 樋口進)は、AUDIT の点を、0〜7点(問題飲酒ではないと思われる・介入不要)、8〜14点(問題飲酒ではあるがアルコール依存症までは至っていない・減酒支援を行う)、15〜40点(アルコール依存症が疑われる・専門医療機関の受診につなげる)に分ける。WHO の Box 6 とは、15点以上の扱いが違う(Box 6 では15点は Zone II、16点から Zone III、20点から Zone IV)。この画面は WHO の Box 6 で分けている。区切りは手引きの令和6年度版(2024年2月更新)の判定方法の図による
  • マニュアルの Box 6 の注は、問4・5・6の点が2点以上のとき、または問9・10の点が4点のときは、点から決まる区分より1段階上の介入を勧める。原文は、問4・5・6の「2点以上」が各問のことか3問の合計のことかを書いていない。この画面は自動では区分を変えない。注はほかに、点がほかの所見と合わないとき、またはアルコール依存の既往があるときは臨床の判断を働かせること、依存症状(問4・5・6)と問題(問9・10)への答えも見直すと役立つことを書く
  • この画面の質問の文は、WHO マニュアルの英語の質問票(Box 4)を意味を変えずに日本語にしたもので、検証された日本語版の訳ではない。マニュアルの付録 C は、ほかの言語に翻訳する前に WHO 本部に手順と既存の翻訳の有無を相談するよう勧めており、WHO には日本語訳がある。この画面はその日本語訳を使わず、英語の質問票から訳した。検証された日本語版が出す点や区分と、質問の言い回しで差が出ることがある。マニュアルは、面接では質問を書かれたとおりに読むよう求めている
  • 問2と問3の「杯」は、マニュアルでは純アルコール約10gを1杯とする前提で作られている。同じマニュアルは、国ごとの1標準飲酒量の例として日本は19.75g、米国14g、英国8gなどを載せ、地域に合わせて選択肢の杯数を調整することが要るかもしれないとする。厚生労働省の手引きは、質問票の量を「ドリンク」で聞き、酒類のドリンク換算表(ビール5%の350 mL缶1本=1.4ドリンク、日本酒1合〈180 mL〉=2.2ドリンクなど)で数える。1杯の量の取り方で問2・3の答えが変わり、点が変わりうる
  • 問1が「飲まない」のときは、マニュアルの手順どおり、問2〜8を聞かず0点にする(マニュアルは、この省略を面接かコンピューターを使う形でだけ使うよう勧める)。問9・10は、過去に問題があったか(「あるが、過去1年にはない」)を見るため、飲まない人にも答えてもらう。飲まない人でも問9・10に点があれば、飲酒を再開したときに危険がありうるとして、飲まないよう助言するとマニュアルは書く
  • マニュアルは、問2か問3に点がある(1点以上)と危険なレベルの飲酒、問4〜6に点があると(とくに週1回以上や毎日の症状)依存の始まりまたはその存在、問7〜10に点があるとアルコールによる害をすでに受けていることを示す、と各問の点の読み方も書く
  • マニュアルの導出研究(複数の国)では、8点のカットオフで、問題のある飲酒の複数の指標に対する感度は 0.90 台のなかば、特異度は国と基準の平均で 0.80 台だった。多くの検証研究も、8点で感度は良好、特異度はそれより低いが許容できる、とマニュアルは書く。65歳を超える患者を調べた1つの研究では感度が低く、特異度が高かった。点の高さは、害や依存の重さとも関係する

出典

  1. Babor TF, Higgins-Biddle JC, Saunders JB, Monteiro MG. AUDIT: The Alcohol Use Disorders Identification Test. Guidelines for Use in Primary Care. Second Edition. World Health Organization, Department of Mental Health and Substance Dependence; 2001(WHO/MSD/MSB/01.6a).(Box 4、Box 6、Scoring and Interpretation、What is a Standard Drink?、付録 C) https://www.who.int/publications/i/item/who-msd-msb-01.6a[ガイドライン]
  2. 厚生労働省. 標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)別添2 保健指導におけるアルコール使用障害スクリーニング(AUDIT)とその評価結果に基づく減酒支援(ブリーフインターベンション)の手引き. 2024.(3頁(AUDIT の判定方法)・4頁(AUDIT の解説、ドリンク数の計算)) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001215491.pdf[ガイドライン]

    上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)

  3. Saunders JB, Aasland OG, Babor TF, de la Fuente JR, Grant M. Development of the Alcohol Use Disorders Identification Test (AUDIT): WHO Collaborative Project on Early Detection of Persons with Harmful Alcohol Consumption-II. Addiction. 1993;88(6):791-804.(原典未見) PMID: 8329970[原著]

確認日: 2026-10-22

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。