臨床計算ツール

Bacterial Meningitis Score(細菌性髄膜炎スコア)

髄液の細胞増多のある小児で、細菌性髄膜炎のリスクが極めて低い子を、髄液・血液の検査とけいれんの5項目で見分ける

あと 5 項目

髄液のグラム染色が陽性
0〜20000
/μL

例: 250。髄液の好中球の絶対数(cells/μL)。1000 以上で該当

100〜10000
mg/L

例: 450(45 mg/dL)。mg/dL の結果は 10 倍して入れる(80 mg/dL = 800 mg/L)。800 以上で該当

0〜40000
/μL

例: 5000。末梢血の好中球の絶対数(cells/μL)。10000 以上で該当

けいれんの既往がある(受診前または受診時)

基準

  • 髄液のグラム染色が陽性
  • 髄液の好中球数 1000/μL 以上
  • 髄液のタンパク 800 mg/L(80 mg/dL)以上
  • 末梢血の好中球数 10000/μL 以上
  • けいれんの既往(受診前または受診時)

注意

  • 髄液の細胞増多(髄液の白血球 10/μL 以上。髄液の赤血球の分を、白血球:赤血球 1:500 で補正)がある小児に使う規則。原著の検証の対象は、29日〜19歳で、救急部門で髄液の細胞増多があった子
  • 原著の検証は、入院が必要な別の理由がある子を除いた: 重い意識障害・脳ヘルニア・呼吸や血圧の補助が要るほどの重症、紫斑、脳室シャント、最近の脳神経外科手術、免疫抑制、入院して抗菌薬が要る別の細菌感染症(乳児の尿路感染症など)、活動性のライム病。腰椎穿刺の前72時間以内に抗菌薬を使った子も除いた。これらの子は原著の検証に含まれていない
  • 原著の著者は、2か月未満の乳児には使わないよう注意している。検証の2か月未満の792人(細菌性髄膜炎26人)では、感度 92.3%・特異度 56.3%・陰性適中率 99.5%。基準を満たさず見逃された2人も、どちらも1〜2か月の乳児(大腸菌)だった
  • 原著は、抗菌薬を前投与された子には、この規則で判断しないよう注意している(髄液の所見が変わり、無菌性髄膜炎の診断が難しいため)
  • 原著は、この規則を診療を決める指示ではなく、臨床判断を助ける道具としている。ライム髄膜炎や単純ヘルペス脳炎のように、基準を満たさなくても治療が要る感染症もあるので、診察での評価と合わせて使うよう書いている
  • 検証の規則全体の成績(5項目のうち1つ以上を陽性としたとき): 感度 98.3%(細菌性髄膜炎 121人のうち 119人)・特異度 61.5%・陰性適中率 99.9%・陽性尤度比 2.56・陰性尤度比 0.03
  • 1つ以上を満たす群の中でも、危険度の幅は大きい。検証の Table 2 では、1項目だけを満たす子のうち、グラム染色が陽性だけの子は12人中7人(58%)が細菌性髄膜炎で、髄液のタンパクだけの子は445人中8人(2%)、末梢血の好中球数だけの子は413人中7人(2%)だった
  • この判定は、5項目のどれかが1つでもあるかを見る決定則で、項目に重みを付けて足し合わせる点数ではない。導出の論文(Pediatrics 2002)は本文を読めておらず、項目ごとの重みや点数の区切りは確かめていないので、ここには出していない

出典

  1. Nigrovic LE, Kuppermann N, Macias CG, Cannavino CR, Moro-Sutherland DM, Schremmer RD, et al; Pediatric Emergency Medicine Collaborative Research Committee of the American Academy of Pediatrics. Clinical prediction rule for identifying children with cerebrospinal fluid pleocytosis at very low risk of bacterial meningitis. JAMA. 2007;297(1):52-60.(Box、Results(Performance of the Bacterial Meningitis Score・Table 2)、Methods(Inclusion Criteria・Exclusion Criteria)、Comment) PMID: 17200475、DOI: 10.1001/jama.297.1.52、https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/204883[原著]
  2. Nigrovic LE, Kuppermann N, Malley R. Development and validation of a multivariable predictive model to distinguish bacterial from aseptic meningitis in children in the post-Haemophilus influenzae era. Pediatrics. 2002;110(4):712-719.(全文)(原典未見) PMID: 12359784[原著]
  3. 単位の換算: 髄液のタンパク 80 mg/dL = 800 mg/L(1 dL = 0.1 L なので mg/dL の値を 10 倍する)。原典の「≧」の向きはそのまま(換算式)[式の導き方]

確認日: 2026-10-15

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。