ベーチェット病の診断基準・重症度分類(2016年小改訂)
主症状・副症状で病型(完全型・不全型・疑い)を診断し、症状・眼病変・特殊病型で Stage I〜V の重症度を分ける、日本ベーチェット病学会の診断基準・重症度分類(2016年小改訂)
あと 18 項目
基準
- 経過中に主症状 4 項目(口腔粘膜のアフタ性潰瘍・皮膚症状・眼症状・外陰部潰瘍)がそろう(完全型)
- 不全型: (a) 主症状 3 項目、または主症状 2 項目と副症状 2 項目、(b) 定型的眼症状と、その他の主症状 1 項目または副症状 2 項目
- 疑い: 主症状の一部が出現している、または定型的な副症状が反復・増悪している
- Stage V: 生命予後に危険のある特殊病型、または慢性進行型神経ベーチェット病
- Stage IV: 失明の可能性があるか失明に至った網脈絡膜炎・その他の眼合併症、または活動性ないし重度の後遺症を残す特殊病型
- Stage III: 網脈絡膜炎がみられる
- Stage II: Stage I の症状(眼症状以外の主症状)に、虹彩毛様体炎、または関節炎・精巣上体炎が加わる
- Stage I: 眼症状以外の主症状がみられる
- 固定期(活動期の病変が 1 年間以上みられない)
注意
- 診断基準の対象は完全型・不全型・特殊病変。重症度分類(Stage)は、完全型か不全型に当たる人に使う。疑いは重症度を出さない
- 「経過中」のいずれの時期の所見でも診断に使ってよい(当該疾病の経過を示す所見で、確認できるものに限る)。一方、治療開始後の重症度は、適切な医学的管理の下で、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断する(留意事項 1・2)。この画面は、診断の所見と Stage の所見を別の入力に分け、Stage の入力は直近6か月の状態で答える
- 主症状・副症状とも、非典型例は取り上げない。皮膚症状はどれでも多発すれば 1 項目、眼症状も虹彩毛様体炎・網膜ぶどう膜炎のどちらでもよい。副症状は鑑別すべき疾患が非常に多く、鑑別が不十分なときは参考所見とする
- 主要鑑別対象疾患は、粘膜・皮膚・眼を侵す疾患(多型滲出性紅斑・急性薬物中毒・Reiter 病)、主症状の 1 つを持つ疾患(慢性再発性アフタ症、化膿性毛嚢炎、結節性紅斑、Sweet 病、サルコイドーシス、ぶどう膜炎をきたす感染症など)、主症状・副症状とまぎらわしい疾患(単純ヘルペスウイルス感染症、関節リウマチ・全身性エリテマトーデスなどの膠原病、クローン病・薬剤性腸炎・腸結核、高安動脈炎・Buerger 病、多発性硬化症など)。この画面は鑑別の判定をしない
- 参考となる検査所見(針反応、赤沈・CRP・白血球・補体価の炎症反応、HLA-B51〈約 60%〉・A26〈約 30%〉、病理所見、神経型の髄液・MRI)は必須ではなく、この画面の判定に使わない。炎症反応が全くないものはベーチェット病として疑わしく、γ グロブリンの著しい増量や自己抗体陽性は、むしろ膠原病などを疑う(診断基準の参考事項)
- Stage I・II は、活動期の病変が 1 年間以上みられなければ固定期(寛解)と判定し、判定基準に合わなくなれば固定期から外す(注 1)。資料は固定期の人が II 度以上の医療費助成の対象に入るかを書いていない。Stage の表は「Stage I の症状に〜が加わったもの」の形なので、Stage II は眼症状以外の主症状がある人に虹彩毛様体炎か関節炎・精巣上体炎が加わったときに当たる(虹彩毛様体炎や関節炎だけで眼症状以外の主症状が無い人は Stage II に当たらず、ほかの Stage にも当たらなければ「Stage I〜V のどれにも当たらない」と出る)。この画面は当たる最も高い Stage を出す
- 医療費助成は II 度以上が対象。症状の程度が重症度分類に一定以上当たらなくても、高額な医療を継続することが必要な人は対象とされる(留意事項 3)
- 指定難病 56 の今適用の資料(令和8年4月時点)の診断基準は「2010年小改訂」、令和9年4月1日以降の支給認定から適用する改正版は「2024年小改訂」。この画面は学会の頁の「2016年小改訂」で作った。診断のカテゴリー・Stage の表は、読んだ範囲では 3 つの版で同じ。鑑別疾患の一覧は版で異なる(2024年小改訂は全身的に鑑別が必要な疾患を加え、個々の病変ごとの一覧も書き換えている)
出典
- 日本ベーチェット病学会. ベーチェット病 診断基準(2016年小改訂)・重症度分類(2016年小改訂).(診断基準(主要項目・診断のカテゴリー・参考となる検査所見・参考事項・主要鑑別対象疾患)・重症度分類(Stage I〜V・注 1〜3・留意事項)) http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~jbehcet/jigyou/shindan.html[ガイドライン]
- 厚生労働省. 指定難病 56 ベーチェット病(概要、診断基準等。厚生労働省ベーチェット病診断基準〈2010年小改訂〉・重症度分類. 令和8年4月時点). 情報提供元: 難治性疾患政策研究事業「ベーチェット病に関する調査研究」(岳野光洋).(<診断基準>(1〜3)・<重症度分類>(Stage I〜V・注 1〜3)・留意事項) https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001173538.pdf[ガイドライン]
上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)
- 厚生労働省. 指定難病 56 ベーチェット病(概要、診断基準等。厚生労働省ベーチェット病診断基準〈2024年小改訂〉・重症度分類. 令和9年4月1日適用).(<診断基準>(A. 主要項目・診断のカテゴリー・参考事項)・<重症度分類>) https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001681768.pdf[ガイドライン]
上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)
- 日本ベーチェット病学会(難治性疾患政策研究事業ベーチェット病に関する調査研究班). ベーチェット病診療ガイドライン 2020. Minds.(原典未見)[ガイドライン]
確認日: 2026-10-20
免責
この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。