Boston 失神基準
救急外来の失神の成人患者の、30日以内の有害事象・重要な介入の危険(8領域25因子のどれか1つでも)
あと 23 項目
基準
- ACS の徴候・症状(胸痛、虚血性の心電図変化、ほかの心電図変化、息切れ)
- 心疾患の既往(冠動脈疾患、心不全・左室機能不全、心室頻拍・細動、ペースメーカー、ICD、抗不整脈薬)
- 突然死などの家族歴
- 弁膜症(心雑音)
- 伝導系の徴候(複数回の失神、速い拍動、運動中の失神、QT 間隔 500 ms 超、房室ブロック・心室内ブロック)
- 体液量の減少(消化管出血、ヘマトクリット 30 未満、補正されない脱水)
- バイタルの持続する異常(呼吸数 24 回/分超、SpO2 90% 未満、洞調律の心拍数 50 回/分未満か 100 回/分超、血圧 90 mmHg 未満)
- 中枢神経の原因
注意
- 対象は、救急外来を受診した18歳以上の失神の患者。失神は「5分未満の突然の意識消失で、姿勢を保つ力を失い、蘇生措置なしに自然に回復したもの」と定義された。前失神(失神しそうな状態)は含めていない。除いた患者は、意識の変化が続く、アルコールや違法薬物に関連した意識消失、けいれん、昏睡、低血糖、頭部外傷による一過性の意識消失
- 見ている転帰は、30日以内の「重要な介入」または「有害事象」。重要な介入は、ペースメーカー・ICD の植込み、冠動脈インターベンション、手術、輸血、心肺蘇生、抗不整脈治療の変更、内視鏡での処置、頸動脈狭窄の修正。有害事象は、死亡、肺塞栓、脳卒中、重い感染症・敗血症、心室性・心房性の不整脈、頭蓋内出血、出血、心筋梗塞、心停止、失神に伴う生命に関わる後遺(横紋筋融解、長管骨・頸椎の骨折)
- 著者が先に(a priori)作った規則を前向きに調べた研究で、規則は米国救急医学会(ACEP)の臨床方針とサンフランシスコ失神ルールの要素、専門医の経験を合わせて作られた。調べた間、この基準は診療の判断には使われなかった
- 1つの大都市の教育病院の救急外来で行われた。362人が登録され、30日の追跡を終えたのは 293人(81%)。追跡できなかった患者がいるので、感度は過大かもしれないと著者は書く。評価者間の一致は調べていない。複数施設での検証と、介入を伴う試験での確認が要ると著者は書いている
- 規則全体の成績(原著の観察、30日の追跡を終えた 293人)。重要な介入か有害事象があった 68人(23%)のうち 66人を、この基準は見つけた。見逃したのは 68人中 2人(入院中に単発の徐脈があった人と、入院中に上室頻拍があり焼灼した人)。感度 97%(95%信頼区間 93〜100%)、特異度 62%(95%信頼区間 56〜69%)、陰性的中率 99%(95%信頼区間 97〜100%)だった
- 25の因子は多いが、8つの領域に分けると覚えやすい、と著者は書いている
出典
- Grossman SA, Fischer C, Lipsitz LA, Mottley L, Sands K, Thompson S, Zimetbaum P, Shapiro NI. Predicting adverse outcomes in syncope. J Emerg Med. 2007;33(3):233-239.(抄録・表1・Methods・Results) PMID: 17976548、DOI: 10.1016/j.jemermed.2007.04.001、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2276584/[原著]
確認日: 2026-10-14
免責
この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。