臨床計算ツール

Boston 失神基準

救急外来の失神の成人患者の、30日以内の有害事象・重要な介入の危険(8領域25因子のどれか1つでも)

あと 23 項目

心臓由来が疑われる胸痛の訴えがある
心電図に虚血性の変化がある(ST 上昇、または深い ST 低下〈0.1 mV 超〉)
心電図にほかの変化がある(心室頻拍・心室細動・上室頻拍・心拍数の速い心房細動、または新しい〈古いと分からない〉ST-T 波の変化)
息切れの訴えがある
冠動脈疾患の既往がある

深い Q 波、肥大型心筋症、拡張型心筋症を含む

うっ血性心不全か左室機能不全の既往がある
心室頻拍・心室細動の既往がある
ペースメーカーが入っている
植込み型除細動器(ICD)が入っている
来院前に抗不整脈薬を使っている

β遮断薬とカルシウム拮抗薬は除く

1親等の家族に、突然死、肥大型閉塞性心筋症、Brugada 症候群、QT 延長症候群がある
病歴か救急外来の診察で、心雑音がある
過去6か月に、失神が複数回あった
患者の訴えに、速い拍動(動悸)がある
運動中に失神した
300〜600
ms

測っていなければ空欄でよい(満たさない扱い)。原著は補正(QTc)とは書いていない

第2度・第3度の房室ブロック、または心室内ブロックがある
消化管出血がある(便潜血か病歴)
15〜65
%

測っていなければ空欄でよい(満たさない扱い)

脱水が救急外来で補正されない

担当医の判断

呼吸数が 24 回/分を超える状態が、救急外来で 15 分を超えて続く

酸素・昇圧薬・一時ペーシングなどの介入をしている間の異常は数えない

SpO2 が 90% 未満の状態が、救急外来で 15 分を超えて続く

酸素・昇圧薬・一時ペーシングなどの介入をしている間の異常は数えない

洞調律の心拍数が 50 回/分未満、または 100 回/分を超える状態が、救急外来で 15 分を超えて続く

酸素・昇圧薬・一時ペーシングなどの介入をしている間の異常は数えない

血圧が 90 mmHg 未満の状態が、救急外来で 15 分を超えて続く

原著は「Blood pressure < 90 mm Hg」とだけ書き、収縮期とは指定していない。酸素・昇圧薬・一時ペーシングなどの介入をしている間の異常は数えない

中枢神経の原因が主である(くも膜下出血、脳卒中など)

基準

  • ACS の徴候・症状(胸痛、虚血性の心電図変化、ほかの心電図変化、息切れ)
  • 心疾患の既往(冠動脈疾患、心不全・左室機能不全、心室頻拍・細動、ペースメーカー、ICD、抗不整脈薬)
  • 突然死などの家族歴
  • 弁膜症(心雑音)
  • 伝導系の徴候(複数回の失神、速い拍動、運動中の失神、QT 間隔 500 ms 超、房室ブロック・心室内ブロック)
  • 体液量の減少(消化管出血、ヘマトクリット 30 未満、補正されない脱水)
  • バイタルの持続する異常(呼吸数 24 回/分超、SpO2 90% 未満、洞調律の心拍数 50 回/分未満か 100 回/分超、血圧 90 mmHg 未満)
  • 中枢神経の原因

注意

  • 対象は、救急外来を受診した18歳以上の失神の患者。失神は「5分未満の突然の意識消失で、姿勢を保つ力を失い、蘇生措置なしに自然に回復したもの」と定義された。前失神(失神しそうな状態)は含めていない。除いた患者は、意識の変化が続く、アルコールや違法薬物に関連した意識消失、けいれん、昏睡、低血糖、頭部外傷による一過性の意識消失
  • 見ている転帰は、30日以内の「重要な介入」または「有害事象」。重要な介入は、ペースメーカー・ICD の植込み、冠動脈インターベンション、手術、輸血、心肺蘇生、抗不整脈治療の変更、内視鏡での処置、頸動脈狭窄の修正。有害事象は、死亡、肺塞栓、脳卒中、重い感染症・敗血症、心室性・心房性の不整脈、頭蓋内出血、出血、心筋梗塞、心停止、失神に伴う生命に関わる後遺(横紋筋融解、長管骨・頸椎の骨折)
  • 著者が先に(a priori)作った規則を前向きに調べた研究で、規則は米国救急医学会(ACEP)の臨床方針とサンフランシスコ失神ルールの要素、専門医の経験を合わせて作られた。調べた間、この基準は診療の判断には使われなかった
  • 1つの大都市の教育病院の救急外来で行われた。362人が登録され、30日の追跡を終えたのは 293人(81%)。追跡できなかった患者がいるので、感度は過大かもしれないと著者は書く。評価者間の一致は調べていない。複数施設での検証と、介入を伴う試験での確認が要ると著者は書いている
  • 規則全体の成績(原著の観察、30日の追跡を終えた 293人)。重要な介入か有害事象があった 68人(23%)のうち 66人を、この基準は見つけた。見逃したのは 68人中 2人(入院中に単発の徐脈があった人と、入院中に上室頻拍があり焼灼した人)。感度 97%(95%信頼区間 93〜100%)、特異度 62%(95%信頼区間 56〜69%)、陰性的中率 99%(95%信頼区間 97〜100%)だった
  • 25の因子は多いが、8つの領域に分けると覚えやすい、と著者は書いている

出典

  1. Grossman SA, Fischer C, Lipsitz LA, Mottley L, Sands K, Thompson S, Zimetbaum P, Shapiro NI. Predicting adverse outcomes in syncope. J Emerg Med. 2007;33(3):233-239.(抄録・表1・Methods・Results) PMID: 17976548、DOI: 10.1016/j.jemermed.2007.04.001、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2276584/[原著]

確認日: 2026-10-14

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。