心アミロイドーシス(野生型 ATTR)の Red Flag 症状/所見
原因不明の左室肥大に Red Flag の所見が1つ以上あるとき、骨シンチグラフィと M 蛋白の検査を勧める手順
あと 7 項目
基準
- 前提: 原因不明の左室肥大がある
- 心不全の症状がある
- NT-proBNP・高感度トロポニンが高い
- 心電図に異常がある
- 心エコー図・心臓 MRI に特徴的な所見がある
- 年齢が 60歳以上
- 手根管症候群・脊柱管狭窄症の既往がある
注意
- 原典は専門家の議論から作った手順で、検証した診断規則ではない。感度・特異度などは示されていない。2019年2月に東京で開いた日本の医療諮問会議の議論をもとにした、とある。この会議は製薬企業の支援を受けていて、著者の一部は同社の社員である
- 60歳以上というだけで6つの所見のうち1つを満たす。原因不明の左室肥大のある60歳以上の人は、他の所見が無くても「検査を勧める」側に入る
- 左室肥大の壁厚について、原典は従来の 14 mm 以上が日本人に当てはまらないかもしれないとし、12 mm 超が現実的かもしれないが、さらに検討が要ると述べる。この画面は壁厚の数値を条件にせず、原因不明の左室肥大かどうかを選ぶ形にした
- M 蛋白の検査(血清の遊離軽鎖、血清・尿の蛋白電気泳動と免疫固定)に異常があれば、AL アミロイドーシスの可能性があり、骨シンチグラフィだけでは診断できない。骨シンチグラフィの陽性は視覚的評価で Grade 2 以上(原典)。診断の確定には、組織生検・アミロイドのタイピング・TTR 遺伝子検査も要る
- 日本循環器学会の心アミロイドーシス診療ガイドライン(2020年版)の診療アルゴリズムは、点数や件数で数える規則ではなく、念頭に置く患者・チェックする徴候・スクリーニング検査の一覧を示し、M 蛋白の検出と骨シンチグラフィを並べて行う図で、年齢の項目は無い。この画面の手順とは作りが違うので、同じ結果になるとは限らない。なお同ガイドラインの CQ1 は、骨シンチグラフィの患者選択の指標の1つとして Kumamoto Criteria(高感度トロポニン T 0.03 ng/mL 以上・左室壁厚 13.6 mm 以上・QRS 幅 120 ms 以上のうち2項目以上)を紹介していて、件数で数える指標が無いわけではない
出典
- Inomata T, Tahara N, Nakamura K, Endo J, Ueda M, Ishii T, Kitano Y, Koyama J. Diagnosis of wild-type transthyretin amyloid cardiomyopathy in Japan: red-flag symptom clusters and diagnostic algorithm. ESC Heart Fail. 2021;8(4):2647-2659.(Red-flag symptoms and signs of wild-type transthyretin amyloid cardiomyopathy in Japan の節) PMID: 34137515、DOI: 10.1002/ehf2.13473、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8318452/[解説・総説]
- 日本循環器学会. 2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン(JCS 2020 Guideline on Diagnosis and Treatment of Cardiac Amyloidosis). 2020年3月13日発行.(図32、表8、表10、表36) https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/04/JCS2020_Kitaoka.pdf[ガイドライン]
確認日: 2026-10-15
免責
この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。