臨床計算ツール

CML の治療効果判定規準(ELN 2025 のマイルストーン)

慢性骨髄性白血病(CML)の TKI 治療の効果を、3・6・12 か月などの BCR::ABL1 IS で、良好・警告・不良に分ける

あと 2 項目

判定する時点

3・6・12 か月は、TKI を始めてからの月数。随時は、表の「いつでも」の欄(3・6・12 か月以外の時期)

高リスクの追加の染色体異常(ACA)がある

主要経路(+8・+Ph・i(17q)・+19・+17・+21)、副次経路(-7/7q-・11q23・3q26.2)の異常と、複雑核型を、高リスクの ACA に数える。治療前なら警告(warning)、治療中は不良(unfavorable)

基準

  • 3 か月: BCR::ABL1 IS が 10% 超
  • 3 か月: 10% 超が 1〜3 か月以内の検査でも確認された
  • 3 か月: BCR::ABL1 IS が 10% 以下
  • 6 か月: BCR::ABL1 IS が 10% 超
  • 6 か月: BCR::ABL1 IS が 1% 超
  • 6 か月: BCR::ABL1 IS が 1% 以下
  • 12 か月: BCR::ABL1 IS が 1% 超
  • 12 か月: BCR::ABL1 IS が 0.1% 超
  • 12 か月: BCR::ABL1 IS が 0.1% 以下
  • 随時: BCR::ABL1 IS が 1% 超
  • 随時: BCR::ABL1 IS が 0.1% 超
  • 随時: BCR::ABL1 IS が 0.1% 以下
  • 治療中の不良の所見: 以前の効果の消失・耐性の変異・高リスクの ACA
  • 治療前: 高リスクの ACA、または ELTS スコアが高リスク

注意

  • マイルストーンは TKI の効き(耐性の危険)を見るもので、副作用のために薬を替える必要は扱わない
  • 切り替えの判断は、1 回の BCR::ABL1 IS だけで決めない。前回までの値の推移(遅れて反応する患者がいる)、用量の調整、服薬の状況をふまえる。明らかな理由(休薬・減量・服薬の不良など)がなく値が上がるときは、染色体検査とキナーゼ領域の変異検査を行い、TKI を切り替える
  • 第1・第2・第3選択の TKI で、同じ定義を使う
  • 12 か月の 1% 超(1〜10%)は、表が「本文の他の考慮を参照」と書く。本文は、併存症のある(多くは高齢の)患者で、切り替えた薬の副作用が問題になる場合に、より控えめな方針を考えうるとする
  • ELN 2025 は 2020 年版の「optimal・warning・failure」の呼び方を「favorable・warning・unfavorable」に改めた。3・6・12 か月の数値は 2020 年版と同じ
  • 2020 年版(日本血液学会 2024年版 表4が従う版)の「いつでも」の欄は、不良(failure)に「1% 超」を含める。ELN 2025 は「以前の効果の消失」に改めている。この画面は ELN 2025 に従い、1% 超の値で不良の所見が無いときは判定を決めない
  • 分子遺伝学的効果の呼び方(ELN 2025 表3): 完全細胞遺伝学的寛解に相当 1% 以下、MMR 0.1% 以下、MR4 0.01% 以下、MR4.5 0.0032% 以下、MR5 0.001% 以下。深い分子遺伝学的効果(DMR)は MR4 以上
  • BCR::ABL1 は、国際指標(IS)に換算した値で見る。標準的な転写産物(e13a2・e14a2。CML の 98%)が対象。まれな転写産物では個別に測定する
  • この画面は分子遺伝学的なマイルストーンの判定で、血液学的効果(CHR など)と細胞遺伝学的効果の判定は含まない

出典

  1. Apperley JF, Milojkovic D, Cross NCP, et al. 2025 European LeukemiaNet recommendations for the management of chronic myeloid leukemia. Leukemia. 2025.(Table 4(p.5)、Table 3(p.4)、Milestones of response の節) DOI: 10.1038/s41375-025-02664-w、https://www.leukemia-net.org/leukemias/cml/recommendations/e8078/infoboxContent11504/ApperleyetalLeukemia2025CMLELN2025GuidelinesforRx.pdf[ガイドライン]
  2. 日本血液学会 編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版). 金原出版; 2024. Ⅰ-4 骨髄増殖性腫瘍(MPN).(表3、表4) https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_4.html[ガイドライン]
  3. Hochhaus A, Baccarani M, Silver RT, et al. European LeukemiaNet 2020 recommendations for treating chronic myeloid leukemia. Leukemia. 2020;34(4):966-984.(Table 4)(原典未見) DOI: 10.1038/s41375-020-0776-2[ガイドライン]

確認日: 2026-10-16

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。