臨床計算ツール

駆動圧と静的コンプライアンス

プラトー圧と PEEP から駆動圧を出し、1回換気量を割って呼吸器系の静的コンプライアンスを求める

駆動圧(ΔP) あと 2 項目
呼吸器系の静的コンプライアンス あと 3 項目

10〜40
cmH2O

PEEP より高い値を入れる

0〜25
cmH2O
200〜800
mL

mL で入れる(例: 450)。静的コンプライアンスを出すときだけ必要。空欄でも駆動圧は出る

計算式

  • 駆動圧 ΔP(cmH2O)= プラトー圧(cmH2O)− PEEP(cmH2O)
  • 呼吸器系の静的コンプライアンス CRS(mL/cmH2O)= 1回換気量(mL)÷ 駆動圧(cmH2O)。ΔP = VT/CRS の式を CRS について解いた形

注意

  • 駆動圧は、患者が自分で吸気の努力をしていない人工呼吸中に、プラトー圧から PEEP を引いて求める値。駆動圧を提案した原著は、結論が患者の呼吸の努力がない換気にだけ当てはまると述べており、努力呼吸のある患者では駆動圧の解釈が難しい
  • 原著の対象は、ARDS の9つの無作為化試験に入った 3562人。著者は、プラトー圧が 40 cmH2O を超える、PEEP が 5 cmH2O 未満、呼吸数が 35 回/分を超える範囲への当てはめは勧められないとしている
  • 原著は、換気の変数のうち駆動圧が生存と最も強く結びつくと報告した。駆動圧が 1 標準偏差(約 7 cmH2O)大きいと、死亡の相対危険は 1.41(95%CI 1.31〜1.51)。プラトー圧と1回換気量が「肺保護的」な範囲の患者でも、相対危険は 1.36(95%CI 1.17〜1.58)だった。著者は、この解析は因果関係を確かめるものではないと述べている
  • 日本の ARDS の診療ガイドライン(2021)は、成人の ARDS の人工呼吸で駆動圧を指標に使うかどうかについて、推奨を示していない。駆動圧は予後と関連する指標だが、換気の設定の目安に使うと転帰がよくなるかは分からないとしている。理想体重にもとづく1回換気量やプラトー圧を制限する標準的な肺保護換気に加えて、駆動圧を制限することの重要性は増しているが、高二酸化炭素血症や酸塩基平衡の異常などの害に注意するとして、エビデンスに基づく推奨でなく、診療上の記述として書いている
  • この画面は、駆動圧と静的コンプライアンスの値に判定を付けない

出典

  1. Amato MBP, Meade MO, Slutsky AS, et al. Driving pressure and survival in the acute respiratory distress syndrome. N Engl J Med. 2015;372(8):747-755.(抄録、Introduction、Methods、Results(Risk Priority of ΔP)、Discussion(限界)) PMID: 25693014、DOI: 10.1056/NEJMsa1410639、https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsa1410639[原著]
  2. Tasaka S, Ohshimo S, Takeuchi M, et al. ARDS Clinical Practice Guideline 2021. J Intensive Care. 2022;10:32.(CQ29) DOI: 10.1186/s40560-022-00615-6、https://jintensivecare.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40560-022-00615-6[ガイドライン]
  3. 式: 駆動圧 ΔP = プラトー圧 − PEEP。呼吸器系のコンプライアンス CRS = 1回換気量 ÷ ΔP(原著の ΔP = VT/CRS を CRS について解いた形)。[式の導き方]

確認日: 2026-10-15

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。