妊娠性絨毛性腫瘍の FIGO 病期分類と予後スコア(FIGO 2026)
妊娠性絨毛性腫瘍(GTN)の解剖学的病期を選び、7つの予後因子の点を足して、低リスク・高リスク・超高リスクに分ける
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注意
- 妊娠性絨毛性腫瘍(GTN)と診断された患者の病期とスコアに使う。GTN の診断は、hCG が4回の測定(1・7・14・21日)で変化 10% 未満の高止まり、または3回の週1回の測定(1・7・14日)で 10% を超える上昇、あるいは病理で妊娠性絨毛癌・PSTT・ETT と診断したとき。PSTT・ETT にはこのリスクスコアを使わず、別の病期(解剖学的な範囲と、先行妊娠からの期間 48カ月の前後)を使う。絨毛癌は、このスコアと病期で評価する
- 病期とスコアは「病期:点数」の形で書く(例 II:5)。リンパ節の転移は、横隔膜より下が III 期、上が IV 期で、画像で見つけたとき「r」、病理で確かめたとき「p」を付ける。手術によるリンパ節の評価は勧められていない
- hCG は、GTN と診断した時点の、治療を始める前の値を使う。胞状奇胎の排出の前に測った値は使わない。GTN は 24〜48時間で体積が2倍になることがあるので、hCG も画像も、治療(手術または薬物療法)の開始にできるだけ近い時点で測る
- 腫瘍の最大径は、子宮の病変と転移巣の両方を測る。測るのは腫瘍の大きさで、子宮の大きさではない。血腫と腫瘍を区別する。子宮の腫瘍の大きさは、MRI・ドプラ付きの超音波・病理で測り、CT は勧められていない。転移の個数に数える肺の病変は 1 cm 以上で、微小な肺転移は病期にもスコアにも使わない
- 表にある転移部位は、腟・肺・脾臓・腎臓・消化管・肝臓・脳。表にない部位の転移は、通常は多数の病変を伴うので点を増やさない、と書かれている。一方、表にない臓器への転移は高リスクの病気として扱う、とも書かれていて、臨床の判断が要る
- スコア 5・6点の低リスクは、薬物療法に抵抗する割合が高いと認められている。追加の危険因子(胞状奇胎後で転移がなく、治療前 hCG が 410,000 IU/L 以上。胞状奇胎後で転移がある、または転移のない絨毛癌で、治療前 hCG が 150,000 IU/L 以上。転移のある絨毛癌で、hCG が上昇している)があるとき、初回から多剤併用が有益なことがある。低リスクの区切りの変更や、中間のリスク群を足すことは、今は勧められていない
- 前の版(FIGO 2000)にあった「前の化学療法」の項目は、FIGO 2026 で外れた(再発・抵抗例の病期の取り直しは勧められないため)。日本婦人科腫瘍学会のガイドライン(2023年版)は FIGO 2000 の表(前の化学療法の項目つき。合計 6点以下を low risk、7点以上を high risk)を載せている。この画面は FIGO 2026 の表で、前の版との違いは、前の化学療法の項目が無いことと、13点以上の超高リスクがあること
- 日本では、画像で病巣が確認でき病理が得られない場合の、臨床的侵入奇胎・臨床的絨毛癌の診断に絨毛癌診断スコアを使い、FIGO のリスクスコアと両方でスコアリングする。両者の診断が異なるときは、絨毛癌診断スコアを優先して治療法を選んでいることが多い(日本婦人科腫瘍学会ガイドライン 2023)。別の計算「絨毛癌診断スコア」にある
出典
- Ngan HYS, Seckl MJ, Horowitz N, Cheung ANY, Braga A, Sekharan PK, Fridsten S, Garrett A, Yanaihara N, Wilailak S, Schmalfeldt B. FIGO staging for gestational trophoblastic neoplasia: 2026. Int J Gynaecol Obstet. 2026;(online ahead of print):1-9.(Table 2(p.3)、Table 4(p.4)、Table 5(p.5)、Table 6(p.6)、本文 6.1・6.2・7・8(pp.5-6)) DOI: 10.1002/ijgo.71229[ガイドライン]
- 日本婦人科腫瘍学会 編. 子宮体がん治療ガイドライン 2023年版. 金原出版; 2023. 第8章 絨毛性疾患の治療 総説(学会ホームページ公開の第8章).(表6(p.195)、総説(p.194)) https://jsgo.or.jp/guideline/taiganguide2023.html[ガイドライン]
- Kohorn EI. The new FIGO 2000 staging and risk factor scoring system for gestational trophoblastic disease: description and critical assessment. Int J Gynecol Cancer. 2001;11(1):73-77.(本文)(原典未見) PMID: 11285037[解説・総説]
確認日: 2026-10-16
免責
この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。