臨床計算ツール

遺伝性鉄芽球性貧血の診断基準・重症度分類

貧血・骨髄の環状鉄芽球・鉄代謝の検査所見・遺伝子の異常で診断(Definite・Probable)し、薬物療法の有無とヘモグロビン濃度で重症度(stage 1〜4)を分ける、指定難病 286 の基準

あと 10 項目

検査所見

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性別

貧血の基準が男女で違う(男性 Hb 13 g/dL 未満、女性 Hb 12 g/dL 未満)

5〜20
g/dL

診断に使う所見は、診断基準に特段の規定がなければ、いずれの時期のものでもよい(留意事項 1)。重症度の判定用のヘモグロビンは下の別の入力。例: 8.5

0〜80
%

骨髄の赤芽球のうち、環状鉄芽球が占める割合。診断基準は 15% 以上。環状鉄芽球は、核の周囲の 1/3 以上にわたって 5 個以上の鉄顆粒がある赤芽球(診療の参照ガイドの定義)。例: 22.0

血清鉄の上昇、UIBC(不飽和鉄結合能)の低下、血清フェリチンの上昇がある

診断基準はこの3つを1つの項目に並べている。この画面は、3つのそろいを「はい」として答える。診断に使う所見は、いずれの時期のものでもよい(留意事項 1)

鑑別診断

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骨髄異形成症候群、二次性鉄芽球性貧血(薬剤性、アルコール性など)、他の先天性貧血(サラセミアなど)を除外できる

Probable の条件に使う。Definite の条件には書かれていない

遺伝学的検査

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ALAS2、SLC25A38、PUS1、ABCB7、GLRX5、SLC19A2、ミトコンドリア DNA のいずれかに遺伝子の変異(異常)を認める

Definite の条件に使う

診断のカテゴリー

0/2
小児期に発症した

Probable の条件に使う

家族歴を有する

Probable の条件に使う

重症度分類

0/2
薬物療法を行っている

重症度が薬物療法の有無とヘモグロビン濃度で分かれる。治療開始後は、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態で、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断する(留意事項 2)

5〜20
g/dL

診断の貧血の判定用とは別の入力。治療開始後は、直近6か月間で最も悪い状態のヘモグロビンで見る(留意事項 2)。重症度は診断基準を満たした人にだけ出す。例: 8.5

基準

  • 貧血(男性 Hb 13 g/dL 未満、女性 Hb 12 g/dL 未満)
  • 骨髄の環状鉄芽球が 15% 以上
  • 血清鉄の上昇・UIBC の低下・血清フェリチンの上昇
  • 鑑別する疾患を除外できる
  • 遺伝子の異常を認める
  • 小児期に発症した
  • 家族歴を有する
  • 薬物療法を行っている
  • 重症度の Hb が 10 g/dL 以上
  • 重症度の Hb が 7 g/dL 以上

注意

  • 診断基準は Definite と Probable を対象とする。Definite はBの3項目(貧血・骨髄の環状鉄芽球・鉄代謝の検査所見)を全て満たしてDの遺伝子のいずれかに異常を認めること。Probable は小児期に発症し、Bの3項目を全て満たし、Cの鑑別する疾患を除外し、家族歴を有すること。遺伝子の異常を確かめていない人は、Probable の条件(小児期発症・鑑別疾患の除外・家族歴)に当たるかで見る
  • 骨髄の環状鉄芽球の境目は資料の中で書き方が分かれる。診断基準の本文は「15%以上」、診療の参照ガイド(令和1年改訂版)の診断基準は「15%を超える(FAB 分類)」。この画面は診断基準の本文に合わせ、15% ちょうども満たすとする
  • 診断基準の症状(A: 貧血、神経・筋症状、膵外分泌障害、肝障害、心機能障害)は、診断のカテゴリーの条件に入っていない。神経・筋症状などは一部の患者にみられる所見とされ、この画面は入力にしない
  • 診断基準の貧血の基準(男性 Hb 13 g/dL 未満、女性 Hb 12 g/dL 未満)は、重症度分類の Hb の区切り(7・10 g/dL)とは別。重症度分類の stage 2 の「7〜10 g/dL」は stage 1 の「10 g/dL 以上」と Hb 10 で重なるので、この画面は Hb 10 ちょうどを stage 1 に入れている
  • 薬物療法を行わないで Hb 7 g/dL 未満の組み合わせは、資料の重症度分類(stage 1〜4)に書かれていない。この画面は、その組み合わせにどの stage も当てない
  • 指定難病の医療費助成の対象は、重症度分類で stage 3 以上。ただし、薬物療法を行っていて Hb 10 g/dL 以上の人は対象外とされている。症状の程度がこの分類で一定以上に当たらなくても、高額な医療を継続することが必要な人は、医療費助成の対象とされている(留意事項 3)
  • 日本では、赤血球型アミノレブリン酸合成酵素(ALAS2)の変異による X 連鎖性の例がほとんどで、この場合は男児にのみ発症する。後天性の鉄芽球性貧血(骨髄異形成症候群が代表)との鑑別が要る
  • 薬物療法の具体的な薬剤は資料に書かれておらず、この画面は「薬物療法を行っているか」だけを問う

出典

  1. 厚生労働省. 指定難病 286 遺伝性鉄芽球性貧血(概要、診断基準等). 情報提供元: 「遺伝性貧血の病態解明と診断法の確立に関する研究班」(研究分担者 張替秀郎).(<診断基準><診断のカテゴリー>(p.3)、<重症度分類>・留意事項(p.4)、概要 要件の判定に必要な事項 6(p.2)) https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001175021.pdf[ガイドライン]

    上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)

  2. 特発性造血障害に関する調査研究班(研究代表者 三谷絹子). 遺伝性鉄芽球性貧血 診療の参照ガイド 令和1年改訂版. 2020年2月.(2 診断 2)診断基準(表2)、4)鑑別診断) https://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2020/15.pdf[ガイドライン]

確認日: 2026-10-16

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。