偶発性低体温の心停止での蘇生中止の目安
偶発性低体温の心停止で、蘇生の中止を検討する条件と、ECLS での復温の適応(ERC 2025)
あと 4 項目
基準
- 死亡が明らかな所見がある
- 有効な蘇生拒否の指示がある
- 救助者にとって危険な状況である
- 雪崩に60分を超えて埋まり、気道が雪で詰まっていて、心静止である
- 冷える前に別の原因で心停止になっていた
- HOPE スコアの生存確率が 10% 未満
- HOPE スコアの生存確率が 10% 以上
- HOPE を求められず、血清カリウム 7 mEq/L 未満かつ深部体温 30℃ 未満
- 深部体温 32℃ 以上まで復温しても自己心拍が再開しない
注意
- 偶発性低体温の心停止では、ECLS での復温と、継続した胸骨圧迫が柱になる。正常体温の心停止のための ECLS の適応の基準は、低体温の心停止には当てはめない(そのために救える患者に治療をしない恐れがある)。目撃のない心停止や、最初の波形が心静止でも、ECLS での復温の禁忌ではない
- HOPE スコアは小児には使わない(専門家に相談する)。雪崩で埋まった人で、窒息した可能性に少しでも疑いがあるときは、HOPE スコアは「窒息なし」の選択肢で計算する(治療を控えすぎるのを避ける)
- 血清カリウムと深部体温の組み合わせ(カリウム 7 mmol/L 未満かつ深部体温 30℃ 未満)は、雪崩の埋没の場面の目安として示されているもので、HOPE スコアを求められないときに、ECLS 復温の適応を示す一助として使ってよい、という弱い書き方(適応を決める基準ではない)
- ERC の流れは「蘇生の中止を検討する」で、中止を決めるものではない。ここで出す結果は、流れのどの枝に当たるかを示す
- 中止の条件のうち「死亡が明らか」は、断頭・体幹の離断・全身の腐敗・全身の凍結(胸壁を圧迫できない)。低体温では、硬直(死後硬直に見えるもの)は死亡の確かな徴候ではない
出典
- Lott C, Karageorgos V, Abelairas-Gomez C, et al. European Resuscitation Council Guidelines 2025 Special Circumstances in Resuscitation. Resuscitation. 2025;215:110753.(Fig. 5(p.9)、Fig. 6(p.10)、偶発性低体温と雪崩の項(p.21〜24)) DOI: 10.1016/j.resuscitation.2025.110753[ガイドライン]
- Paal P, Pasquier M, Darocha T, et al. Accidental Hypothermia: 2021 Update. Int J Environ Res Public Health. 2022;19(1):501.(節「Pre-hospital triage」「Patient referral and transport」「Extracorporeal cardiopulmonary resuscitation (ECPR)」) PMID: 35010760、DOI: 10.3390/ijerph19010501[解説・総説]
確認日: 2026-10-14
免責
この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。