臨床計算ツール

ピリヴィジェン10%静注(人免疫グロブリン10%・pH4処理酸性・静脈内)の投与量・投与速度

体重から、無又は低ガンマグロブリン血症と慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の1回量と、投与速度(mL/時)を求める。この添付文書(10%・静脈内)の値

無又は低ガンマグロブリン血症: 1回量(3〜4週間隔) あと 2 項目
無又は低ガンマグロブリン血症: 1回の薬液の量 あと 2 項目
無又は低ガンマグロブリン血症: 初回の開始から約30分の速度 あと 1 項目
無又は低ガンマグロブリン血症: 徐々に上げてよい上限の速度 あと 1 項目
CIDP(成人)の筋力低下の改善: 1日量(5日間連日。400 mg/kg) あと 1 項目
CIDP(成人)の筋力低下の改善: 1日の薬液の量(5日間連日) あと 1 項目
CIDP(成人)の運動機能低下の進行抑制: 1日で投与する場合の量(1,000 mg/kg を1日、3週間隔) あと 1 項目
CIDP(成人)の運動機能低下の進行抑制: 1日で投与する場合の薬液の量 あと 1 項目
CIDP(成人)の運動機能低下の進行抑制: 2日に分ける場合の1日量(500 mg/kg を2日間連日、3週間隔) あと 1 項目
CIDP(成人)の運動機能低下の進行抑制: 2日に分ける場合の1日の薬液の量 あと 1 項目
CIDP(成人): 初回の開始から約30分の速度 あと 1 項目
CIDP(成人): 徐々に上げてよい上限の速度 あと 1 項目

0.5〜150
kg

例: 50 kg。CIDP の量と速度は体重だけで出る

200〜600
mg/kg

無又は低ガンマグロブリン血症のときだけ入れる。例: 400 mg/kg(4 mL/kg)→ 400。mL/kg で書かれた量は 100 倍して mg/kg に直す(2 mL/kg → 200)

計算式

  • 10% 製剤は、薬液 1 mL に人免疫グロブリンG 100 mg(添付文書の「200mg(2mL)/kg」の対応)。1回量(mg)= 体重あたりの量(mg/kg)× 体重(kg)、薬液の量(mL)= 1回量(mg)÷ 100
  • 無又は低ガンマグロブリン血症: 1回 200〜600 mg(2〜6 mL)/kg を 3〜4 週間隔。患者の状態によって適宜増減する。量は入力した mg/kg
  • CIDP の筋力低下の改善: 成人に1日 400 mg(4 mL)/kg を5日間連日。CIDP の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合): 成人に「1,000 mg(10 mL)/kg を1日」又は「500 mg(5 mL)/kg を2日間連日」を3週間隔
  • 投与速度(mL/時)= 体重あたりの速度(mL/kg/時)× 体重(kg)。無又は低ガンマグロブリン血症: 初回の投与開始から約30分は 0.6 mL/kg/時、副作用等が認められなければ 7.2 mL/kg/時まで徐々に上げることができる。CIDP: 約30分は 0.3 mL/kg/時、4.8 mL/kg/時まで徐々に上げることができる

注意

  • 同じ一般名・同じ濃度(10%)の静注製剤でも、投与速度の上限が違うものがある(別の製剤の添付文書は、初日の投与開始から1時間は 0.01 mL/kg/分で投与し 0.06 mL/kg/分、つまり 3.6 mL/kg/時を超えないとしている)。出典の添付文書の製剤(10%・静脈内に投与)にだけ使い、ほかの製剤には当てはめない
  • 量は効能ごとに違い、患者の状態・効能・腎機能・基礎疾患で変わる。添付文書の用法及び用量と、投与量・投与間隔を調節する注意(7.2)を確かめる。表示する量は、添付文書の mg/kg に体重を掛けただけの値
  • 無又は低ガンマグロブリン血症は、1回 200〜600 mg(2〜6 mL)/kg を 3〜4 週間隔で点滴静注又は緩徐に静注し、患者の状態によって適宜増減する。血清IgGトラフ値を参考に、基礎疾患や感染症などの臨床症状に応じて量と間隔を調節する(7.2)。このツールは量の範囲で止めず、入力した mg/kg をそのまま計算する
  • CIDP の2つの効能の用量は「成人には」と書かれている。18歳未満の CIDP 患者は臨床試験で除外されている(9.7.3)。無又は低ガンマグロブリン血症では、低出生体重児・新生児・乳児・3歳未満の幼児が臨床試験で除外されている(9.7.2)
  • CIDP の筋力低下の改善は、投与4週後に改善が認められることがあるので、投与後4週間は追加投与を行わない(7.3)。この用法で反復投与したときの有効性・安全性は確立していない(8.5)。運動機能低下の進行抑制は、静注用人免疫グロブリン製剤で筋力低下の改善が認められたものの再発・再燃を繰り返している患者にだけ投与する(5.)。進行抑制の目的で用いるときは、臨床症状の観察を十分に行い、定期的に継続投与の必要性を確認する。継続投与の結果、十分な効果が認められず運動機能低下の再発・再燃等を繰り返す場合は、継続投与をせず他の治療法を考慮する(8.6)。再発・再燃が認められなくなった場合は、減量又は投与中止を考慮する(8.7)
  • 投与速度は、ショック等の副作用が初日の投与開始30分以内と、速度を上げた際に起こる可能性があり、この時間帯に特に注意する(14.2.2)。急速に注射すると血圧降下を起こす可能性があり、特に無又は低ガンマグロブリン血症の患者には注意する(7.1)。小児等の無又は低ガンマグロブリン血症では、投与速度に注意し、経過を十分に観察する(ショック等重篤な副作用を起こすことがある。9.7.1)。上限の速度は「副作用等の異常所見が認められなければ徐々に上げることができる」速度で、最初から投与する速度ではない。その後の投与は、耐容した速度で開始することができる(14.2.2)
  • 血栓塞栓症の危険性の高い患者と急性腎障害の危険性の高い患者には、適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい(9.1.4、9.2.2)。この減量・速度は、このツールの計算には入っていない。大量投与で、脳・心臓血管障害又はその既往のある患者は血栓塞栓症(9.1.3)、心機能の低下している患者は心不全の発症・悪化(9.1.7)のおそれがある。高齢者は患者の状態を観察しながら慎重に投与する(9.8)
  • 体重は添付文書の「kg 体重」。肥満など、どの体重を使うかは添付文書に定めが無い。希釈が必要な場合は 5% ブドウ糖注射液を用いるとあるが(14.1.3)、希釈したときの速度の換算は添付文書に書かれていない
  • 量・薬液の量・速度は小数第2位までに丸めて表示する。添付文書に丸めの定めは無い

出典

  1. ピリヴィジェン10%静注2.5g/25mL・5g/50mL・10g/100mL・20g/200mL 添付文書(pH4処理酸性人免疫グロブリン). 2026年5月改訂(第4版). CSLベーリング株式会社. PMDA 掲載の電子添文.(6.用法及び用量、7.用法及び用量に関連する注意(7.1〜7.3)、9.1.4・9.2.2・9.7、14.1.3、14.2.2 投与速度) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/100806_6343427H1020_1_03[添付文書]

    上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)

  2. グロベニン-I 10%静注5g/50mL・10g/100mL・20g/200mL 添付文書(pH4処理酸性人免疫グロブリン). 2026年10月改訂(第6版). PMDA 掲載の電子添文. 注意 caution 1 の「投与速度の上限が違う別の製剤」の根拠として読んだ(量・速度の計算には使っていない).(7.3・7.9 の投与速度(0.01 mL/kg/分から、0.06 mL/kg/分を超えない)) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/400256_6343427H2026_1_04[添付文書]

    上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)

  3. 換算: 10% 製剤の薬液 1 mL = 人免疫グロブリンG 100 mg(添付文書 6.の「200〜600mg(2〜6mL)/kg」「400mg(4mL)/kg」「1,000mg(10mL)/kg」の mg と mL の対応)。1回量(mg)= 体重あたりの量(mg/kg)× 体重(kg)。薬液の量(mL)= mg ÷ 100。速度(mL/時)= mL/kg/時 × 体重(kg)[式の導き方]

確認日: 2026-10-21

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。