臨床計算ツール

KDIGO AKI 分類(2012年版)

血清クレアチニンと尿量から、AKI(急性腎障害)の定義に当たるかと病期(第1〜3期)を出す

あと 7 項目

0.3〜15
mg/dL

分かっている基準の値。分からないときは、入院中に測った最も低い値を使う(大量輸液による血液の希釈の例を除く)

0.3〜15
mg/dL

病期は経過全体で見るので、この AKI の経過のあいだの最高値

0〜10
mg/dL

48時間のあいだの上昇(上がる前の値との差)。入院や ICU の最初の48時間でなくてもよい。上がっていなければ 0

血清クレアチニンが基準の 1.5 倍以上に上がったのは、直近7日以内(既知または推定)

最高値が基準の 1.5 倍に届かないときは、どちらを選んでも結果は変わらない

尿量の状態

尿量(mL/kg/時)は「尿量(mL/kg/時)の計算」で出せる。当てはまる選択肢が複数あるときは、病期の高いほう。12 時間ちょうどは「12 時間以上」

腎代替療法を開始した

開始前の血清クレアチニンや尿量に関係なく、第3期

18歳未満で、推算 GFR(eGFR)が 35 mL/min/1.73 m² 未満に低下した

18歳以上は「いいえ」。AKI の定義に当たったうえで病期づけに使う(これだけでは AKI と出さない)

計算式

  • AKI の定義(どれか1つ): 48時間以内に血清クレアチニンが 0.3 mg/dL 以上上がる/7日以内に血清クレアチニンが基準の 1.5 倍以上になった(既知または推定)/尿量が 0.5 mL/kg/時 未満で 6 時間
  • 血清クレアチニンの段: 最高値 ÷ 基準 が 1.5 以上 2.0 未満、または 0.3 mg/dL 以上の上昇 → 第1期。2.0 以上 3.0 未満 → 第2期。3.0 以上、または最高値が 4.0 mg/dL 以上(先に、48時間以内の 0.3 mg/dL 以上の上昇か基準の 1.5 倍以上を満たしたとき。7日の枠は問わない)→ 第3期(表は 1.5〜1.9 倍・2.0〜2.9 倍と書く。この計算は血清クレアチニンを小数第2位まで入れた比で見るので、1.9 と 2.0 のあいだ(例 1.95 倍)は第1期、2.9 と 3.0 のあいだ(例 2.95 倍)は第2期にする)
  • 尿量の段: 0.5 mL/kg/時 未満が 6〜12 時間 → 第1期。12 時間以上 → 第2期。0.3 mL/kg/時 未満が 24 時間以上、または無尿が 12 時間以上 → 第3期
  • 腎代替療法の開始 → 第3期。AKI の定義に当たったうえで 18歳未満の eGFR 35 mL/min/1.73 m² 未満への低下 → 第3期
  • 病期は、これらのうち最も高い期。定義のどれにも当たらなければ「定義に当たらない」
  • 病期づけには、48時間・7日の時間の枠を使わない(診断のための枠)。定義に当たったときは、経過全体の最高値と基準の比で血清クレアチニンの段を出す

注意

  • AKI の定義は、(1) 48時間以内に血清クレアチニンが 0.3 mg/dL 以上上がる、(2) 7日以内に基準の 1.5 倍以上になった(既知または推定)、(3) 尿量が 0.5 mL/kg/時 未満で 6 時間、のどれか。病期は、血清クレアチニンと尿量のうち、病期の高いほうを採る
  • 48時間・7日の時間の枠は診断のためで、病期づけのためではない。病期は経過全体で見る(例: 5日で基準の 1.5 倍になり、最終的に3週間で 3 倍になった人は第3期)。48時間・7日の枠は、入院や ICU の最初の48時間・7日でなくてもよい
  • 基準が分からないときは、入院中に測った最も低い血清クレアチニンを基準にする(大量輸液による希釈の例を除く)。基準を推定で決めると、見つかっていない慢性腎臓病を AKI と取り違えることがある
  • 第3期の「4.0 mg/dL 以上への上昇」は、先に定義の血清クレアチニンの基準(48時間以内に 0.3 mg/dL 以上の上昇、または基準の 1.5 倍以上)を満たした人だけに当てる。18歳未満では、AKI の定義に当たったうえで eGFR が 35 mL/min/1.73 m² 未満に低下したら第3期(eGFR の低下だけでは AKI としない)
  • 基準は平均的な体格の成人で作られた RIFLE・AKIN が土台。体の小さい小児(乳児・筋肉量の少ない子)は、血清クレアチニンが 4.0 mg/dL に届かないことがある。それを補う基準として、18歳未満の eGFR 35 mL/min/1.73 m² 未満が第3期に入っている
  • 尿量の基準は、血清クレアチニンの基準より検証が少ない。薬剤(ACE 阻害薬など)・体液バランスなどの影響を臨床判断で加えて見る。高度の肥満では、尿量が正常な人まで基準に当たることがある。尿量の基準を平均で当てはめるのか、続いた減少で当てはめるのかは、定まっていないとされている
  • AKIN の基準では、基準の 1.5 倍への上昇は 48 時間以内。この計算の「7日以内」は KDIGO 2012 の定義。7日にすると、血清クレアチニンがゆっくり上がる人も AKI に含まれる
  • 診断・病期の基準は臨床判断の代わりではない。基準に当たっても AKI と診断すべきでない例や、当たらなくても AKI の例は、まれにある

出典

  1. Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) Acute Kidney Injury Work Group. KDIGO Clinical Practice Guideline for Acute Kidney Injury. Kidney Int Suppl. 2012;2(1):1-138.(Recommendation 2.1.1・2.1.2、Table 2(p.19)、Chapter 2.1(p.19-22)、Chapter 2.4(p.28-31。Table 7・Table 10 と本文)) PMID: 25018915、DOI: 10.1038/kisup.2012.1、https://kdigo.org/wp-content/uploads/2019/01/KDIGO-2012-AKI-Guideline-English.pdf[ガイドライン]
  2. AKI(急性腎障害)診療ガイドライン作成委員会 編. AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016. 日本腎臓学会誌. 2017;59(4):419-533.(CQ 2-1 解説と表3(p.444-445)) https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/419-533.pdf[ガイドライン]

確認日: 2026-10-15

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。