臨床計算ツール

MASCC スコア(発熱性好中球減少症のリスク)

がん患者の発熱性好中球減少症(FN)で、重い合併症の少ない低リスクの患者を、8つの特徴の点数で見分ける(0〜26点。21点以上が低リスク)

あと 7 項目

発熱性好中球減少による症状の負担(全身状態)

FN のエピソードによる全身状態を、症状の程度で選ぶ。5点と3点は足さない(選んだ1つの点だけが付く)

50〜250
mmHg

90 mmHg を超えていれば「低血圧なし」の5点。90 mmHg 以下は0点

慢性閉塞性肺疾患(COPD)がない

FN の発症時に、活動性の慢性気管支炎、肺気腫、努力呼気量の低下、または酸素・ステロイド・気管支拡張薬を要する治療が必要な状態があれば COPD ありとして「いいえ」

固形腫瘍である、または、血液悪性腫瘍で過去に真菌感染がない

血液悪性腫瘍で、確定した真菌感染、または真菌感染を疑って経験的に治療したことがあれば「いいえ」

点滴(非経口の輸液)を要する脱水がない
外来患者である
18〜100
歳

60歳未満が2点、60歳以上は0点

注意

  • ASCO/IDSA ガイドライン(2018年)は、MASCC スコアが 21点以上でも、外来治療から外してよい追加の臨床基準(失神や前失神・新たな低血圧・コントロールできない心不全や不整脈・臨床的に問題となる出血など、ガイドラインの Table 1)を挙げている。点数だけで外来治療に決めない
  • 「症状の負担」の軽い・中等度・重いの標準的な定義が無く、IDSA ガイドライン(2010年)は、そのために MASCC の使い方が分かりにくくなりうると書いている
  • ASCO/IDSA ガイドライン(2018年)は、MASCC スコアが、固形腫瘍・急性白血病・骨髄移植を受けた患者などの混ざった集団で作られ検証されたこと、造血幹細胞移植や急性白血病の導入療法の患者は外来治療に向きにくいことを書いている。同ガイドラインは、固形腫瘍で軽度から中等度の強さの化学療法を受け、全身状態が安定して見える患者には、CISNE を追加の道具として使ってよいとしている
  • ASCO/IDSA ガイドライン(2018年)の Table 5(固形腫瘍で全身状態が安定して見える患者)では、MASCC(21点未満を高リスクとしたとき)の感度は 34.8%、特異度は 86.9%、陽性適中率は 29.3%、陰性適中率は 89.6% だった
  • 好中球減少の続く期間は、MASCC の評価の項目に入っていない(IDSA ガイドライン〈2010年〉)。両ガイドラインは成人(adults)を対象にしていて、この画面は 18歳以上を受け付ける

出典

  1. Klastersky J, Paesmans M, Rubenstein EB, Boyer M, Elting L, Feld R, Gallagher J, Herrstedt J, Rapoport B, Rolston K, Talcott J; Multinational Association for Supportive Care in Cancer Risk Index. The Multinational Association for Supportive Care in Cancer risk index: a multinational scoring system for identifying low-risk febrile neutropenic cancer patients. J Clin Oncol. 2000;18(16):3038-3051.(原典未見) PMID: 10944139、DOI: 10.1200/JCO.2000.18.16.3038[原著]
  2. Taplitz RA, Kennedy EB, Bow EJ, et al. Outpatient management of fever and neutropenia in adults treated for malignancy: American Society of Clinical Oncology and Infectious Diseases Society of America clinical practice guideline update. J Clin Oncol. 2018;36(14):1443-1453.(Table 2・Table 5・Recommendation 2.1・流れ図(Part II)・Table 1・Literature review(Clinical Question 2)) DOI: 10.1200/JCO.2017.77.6211[ガイドライン]
  3. Freifeld AG, Bow EJ, Sepkowitz KA, et al. Clinical practice guideline for the use of antimicrobial agents in neutropenic patients with cancer: 2010 update by the Infectious Diseases Society of America. Clin Infect Dis. 2011;52(4):e56-e93.(Table 3・Recommendation 4(Executive summary)・Evidence Summary(Risk assessment)) PMID: 21258094、DOI: 10.1093/cid/cir073、https://academic.oup.com/cid/article/52/4/e56/382256[ガイドライン]

確認日: 2026-10-15

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。