臨床計算ツール

Mayo 2018 / IMWG 2020(20-2-20)

くすぶり型骨髄腫の進行リスクを、骨髄形質細胞・M 蛋白・遊離軽鎖比(と、あれば染色体異常)の因子の数で分ける

あと 4 項目

使う版

Mayo 2018 は 3 因子で 3 群。IMWG 2020 は同じ 3 因子(国際共同の約 2,000 人)で 3 群に分け、FISH の結果があれば染色体異常を加えた 4 因子で 4 群に分ける

10〜60
%

診断時の骨髄の(クローナルな)形質細胞の割合。20% を超えると因子に当たる(20% ちょうどは当たらない)。例: 25

0.3〜3.5
g/dL

診断時の血清 M 蛋白。2 g/dL を超えると因子に当たる(2.0 ちょうどは当たらない)。例: 2.4。mg/dL の結果なら 10 で割る(2400 → 2.4)

1〜200

血清 FLC の、骨髄腫のクローンの鎖(関与する鎖)を、もう一方の鎖(関与しない鎖)で割った比。κ/λ の向きではない。20 を超えると因子に当たる(20.0 ちょうどは当たらない)。例: 32.5

基準

  • 骨髄の形質細胞が 20% を超える
  • 血清 M 蛋白が 2 g/dL を超える
  • FLC 比(関与/非関与)が 20 を超える
  • 染色体異常(t(4;14)・t(14;16)・+1q・del 13q)がある

注意

  • 対象はくすぶり型骨髄腫(SMM)。Mayo 2018 の対象は 2003〜2015 年に診断された 421 人で、骨髄形質細胞 10% 以上または血清 M 蛋白 3 g/dL 以上(尿中 500 mg/24 時間以上)、臓器障害なし。骨髄形質細胞 60% 以上・FLC 比 100 以上(関与する FLC が 10 mg/dL 超)・MRI の局所病変が複数あるものは除く。IMWG 2020 は IMWG 2014 の SMM の定義で選んだ国際共同研究(23 か国 75 施設、約 2,000 人)
  • 数字は「診断から 2 年(Mayo 2018 は 5 年も)の間の進行」の割合。Mayo 2018 は単施設の後ろ向きの研究で、死亡などの競合リスクを調整していない。進行の定義は、Mayo 2018 が形質細胞の異常による臓器障害の出現(CRAB を伴わない治療開始と AL アミロイドーシスの発症も含む)、IMWG 2020 が骨髄腫またはアミロイドーシスへの進行
  • 3 因子の境目は 2 つの原著とも「超」(骨髄形質細胞 >20%・M 蛋白 >2 g/dL・FLC 比 >20)。日本血液学会 2024年版は、本文に「20%以上」「2 g/dL 以上」、図の説明に「>20%」「>2 g/dL」と書く(資料の中で割れている)。この画面は原著の「超」に従う
  • FLC 比は、関与する鎖 ÷ 関与しない鎖の比。IMWG 2020 のモデルは「>20」だけを因子とし、下側の基準(0.05 未満など)は使わない。日本血液学会 2024年版の図の説明は「κ/λ 比が 0.05 未満または 20 超」と書く
  • IMWG 2020 の 4 因子のモデルは、FISH のデータがあった 689 人から作られた。染色体異常は t(4;14)、t(14;16)、+1q、del 13q/13 番モノソミーのいずれか。FISH の方法は施設で違い、原著は「FISH のデータは全例で考える」としている。Mayo 2018 のモデルは染色体異常を使わない
  • IMWG 2020 の 4 群のうち 2 つ目の群の 2 年間の進行は、原著の本文・抄録で 46%。図の説明は 37% と書く(原著の中で割れている)。この画面は本文・抄録の値
  • 同じ因子の数でも、2 つの版の数字は違う(Mayo 2018 の方が高い)。対象と時期が違う別のデータなので、2 つの版の数字を直接は比べない
  • IMWG 2020 は、2 年間の進行が 80% 以上と見込まれる超高リスクの患者を、現在の基準では活動性の骨髄腫と考え、このモデルの対象から外している

出典

  1. Lakshman A, Rajkumar SV, Buadi FK, et al. Risk stratification of smoldering multiple myeloma incorporating revised IMWG diagnostic criteria. Blood Cancer J. 2018;8(6):59.(抄録、Methods、Table 3) PMID: 29895887、DOI: 10.1038/s41408-018-0077-4、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5997745/[原著]
  2. Mateos MV, Kumar S, Dimopoulos MA, et al. International Myeloma Working Group risk stratification model for smoldering multiple myeloma (SMM). Blood Cancer J. 2020;10(10):102.(抄録、Results の 3 因子の表と 4 群の表、Discussion) PMID: 33067414、DOI: 10.1038/s41408-020-00366-3、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7567803/[原著]
  3. 日本血液学会 編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版). 金原出版; 2024. Ⅲ-1 多発性骨髄腫.(本文(くすぶり型骨髄腫の進行リスク)、図2) https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/3_1_1.html[ガイドライン]

確認日: 2026-10-16

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。