臨床計算ツール

重症筋無力症の診断基準

症状・自己抗体・生理学的所見・鑑別診断を診断基準に当てはめてカテゴリー A・B を判定する、指定難病 11 の診断基準

あと 7 項目

症状

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次の症状が1項目以上あり、易疲労性と日内変動を伴う

眼瞼下垂/眼球運動障害/顔面筋筋力低下/構音障害/嚥下障害/咀嚼障害/頸筋筋力低下/四肢・体幹筋力低下/呼吸困難(自覚的・他覚的な症状)。易疲労性は運動の反復で筋力が下がること、日内変動は夕方に悪くなることなど

検査所見

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アセチルコリン受容体(AChR)抗体が陽性

A は、この項目か次の MuSK 抗体のどちらかが陽性で満たす

筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)抗体が陽性

生理学的所見

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低頻度反復刺激誘発筋電図で、神経筋接合部障害を示す所見がある

B は、この項目・エドロフォニウム試験・単線維筋電図のどれか1つ以上で満たす

エドロフォニウム試験で、神経筋接合部障害を示す所見がある

眼球運動障害、低頻度反復刺激誘発筋電図などの客観的な指標を用いて評価する(診断基準の注)

単線維筋電図で、神経筋接合部障害を示す所見がある

鑑別診断

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鑑別診断の疾患を鑑別できている

眼筋麻痺、四肢筋力低下、嚥下・呼吸障害を来す疾患は全て鑑別の対象になる。ランバート・イートン筋無力症候群、筋ジストロフィー(ベッカー型、肢帯型、顔面・肩甲・上腕型)、多発性筋炎、周期性四肢麻痺、甲状腺機能亢進症、ミトコンドリア脳筋症、慢性進行性外眼筋麻痺、ギラン・バレー症候群、多発性神経炎、動眼神経麻痺、トロサ・ハント症候群、脳幹部腫瘍・血管障害、脳幹脳炎、単純ヘルペス・その他のウイルス性脳炎、脳底部髄膜炎、側頭動脈炎、ウェルニッケ脳症、リー脳症、糖尿病性外眼筋麻痺、血管炎、神経ベーチェット病、サルコイドーシス、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、フィッシャー症候群、先天性筋無力症候群、先天性ミオパチー、眼瞼皮膚弛緩症、ミオトニー、眼瞼痙攣、開眼失行、筋萎縮性側索硬化症、ボツリヌス症

基準

  • 症状の1項目以上(易疲労性と日内変動を伴う)
  • 検査所見(AChR 抗体か MuSK 抗体のどちらかが陽性)
  • 生理学的所見(低頻度反復刺激誘発筋電図・エドロフォニウム試験・単線維筋電図のどれか1つ以上)
  • 鑑別診断の疾患を鑑別できる

注意

  • 診断のカテゴリーは A と B で、診断基準は A、B を対象とする(診断基準の「A、B を対象とする」)。B は、検査所見(自己抗体)を満たさないことが前提条件
  • この画面は、厚生労働省の指定難病 11 の診断基準による。日本神経学会の診療ガイドライン 2022 の「重症筋無力症診断基準 2022」(表2)は別の版で、診療ガイドライン自身が「現時点では厚生労働省の診断基準との齟齬が存在している」と書く。違いは、(1) 神経筋接合部障害の項目が、ガイドラインは眼瞼の易疲労性試験・アイスパック試験・エドロホニウム(テンシロン)試験・反復刺激試験・単線維筋電図のジッターの増大の5つで、この画面(厚労省)は低頻度反復刺激誘発筋電図・エドロフォニウム試験・単線維筋電図の3つ、(2) ガイドラインは「血漿浄化療法によって改善を示した病歴がある」を支持的診断所見とし、症状+それ+血漿浄化療法が有効な他の疾患の除外で Probable と判定する(この画面にはこの区分が無い)、(3) ガイドラインの Definite は「A の1つ以上と B のいずれか」か「A の1つ以上と C のいずれかで、他の疾患が鑑別できる」の2通り
  • 軽症例や眼筋型では、AChR 抗体・MuSK 抗体がどちらも陰性のこともある(概要)。LRP4 抗体は、概要が、他にも陽性になる疾患があり意義は検討を要するとし、診断基準の自己抗体には入っていない
  • 診断に使う症状や検査所見は、診断基準に特段の規定がなければ、いずれの時期のものでもよい。ただし、病気の経過を示すもので、確認できるものに限る(留意事項 1)
  • 症状の項目は、診断基準が「易疲労性と日内変動を伴うこと」と書く。ガイドラインの表は同じ項目の補足を「易疲労性や日内変動を呈する」と書く。この画面は診断基準の書き方に従った
  • 重症度は別の基準(MGFA 分類。Class I 以上が指定難病の対象)。この画面は診断の基準だけを扱う

出典

  1. 厚生労働省. 指定難病 11 重症筋無力症(概要、診断基準等). 情報提供元: 「神経免疫疾患のエビデンスによる診断基準・重症度分類・ガイドラインの妥当性と患者 QOL の検証研究班」.(<診断基準> 1〜5、概要 2・3、要件の判定に必要な事項 5、留意事項(p.2-5)) https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001173447.pdf[ガイドライン]

    上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)

  2. 日本神経学会 監修, 「重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン」作成委員会 編. 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン 2022. 2022.(序(齟齬の記述)、CQ 3-1「表1 重症筋無力症診断基準 2013」「表2 重症筋無力症診断基準 2022」(ガイドライン p.21、PDF p.35)と手技の解説) https://neurology-jp.org/guidelinem/pdf/mg_2022.pdf[ガイドライン]

確認日: 2026-10-16

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。