臨床計算ツール

NIHSS(NIH Stroke Scale)

脳卒中の神経学的重症度を、意識・視野・運動・言語など15項目の素点の合計(0〜42点)で表す

あと 15 項目

1a. 意識水準

気管挿管・言語の壁・口腔の外傷で評価が妨げられても、反応を見て1つ選ぶ。痛み刺激に反射的な姿勢以外の運動がまったく無いときだけ 3

1b. 意識水準: 質問(検査日の月名と年齢)

近い答えは正解にしない。失語症・混迷の患者は 2。挿管・口腔の外傷・強い構音障害・言語の壁など、失語症によらず話せないときは 1。最初の答えだけを評価し、言語・非言語のヒントを与えない

1c. 意識水準: 命令(開閉眼・手の開閉)

手が使えないときは別の1段階の命令に置き換えてよい。実行しようとする明らかな企図があれば、筋力低下で完遂できなくても点を与える。反応しないときはパントマイムで示す。最初の企図だけを評価する

2. 最良の注視

水平方向の眼球運動だけを、随意的または反射的(oculocephalic)に評価する。カロリックテストは行わない。随意的または反射的に克服できる共同偏視、または単一の III・IV・VI 神経の麻痺は 1

3. 視野

対座法で、上下 1/4 の視野を動かす指や threat で調べる。1/4 盲を含む明らかな左右差があるときだけ 1。一側の盲・単眼では健側の視野を評価する。全盲は理由を問わず 3

4. 顔面麻痺

歯を見せる・笑う・目を閉じるよう命じる(またはパントマイムで示す)。反応の悪い患者は痛み刺激への渋面の左右差で見る。外傷・挿管・包帯で顔が隠れているときは、できるだけ取り除いて評価する

5a. 左上肢の運動

座位は 90°、仰臥位は 45° に上肢を置く。失語症の患者には声やパントマイムで示し、痛み刺激は使わない。非麻痺側から評価する。9 とした理由は記録しておく

5b. 右上肢の運動

座位は 90°、仰臥位は 45° に上肢を置く。失語症の患者には声やパントマイムで示し、痛み刺激は使わない。非麻痺側から評価する。9 とした理由は記録しておく

6a. 左下肢の運動

必ず仰臥位で、下肢を 30° に置く。失語症の患者には声やパントマイムで示し、痛み刺激は使わない。非麻痺側から評価する。9 とした理由は記録しておく

6b. 右下肢の運動

必ず仰臥位で、下肢を 30° に置く。失語症の患者には声やパントマイムで示し、痛み刺激は使わない。非麻痺側から評価する。9 とした理由は記録しておく

7. 運動失調(四肢)

指-鼻-指試験と踵-膝試験を両側で行う。開眼で評価し、視野障害があるときは健側の視野で評価する。全盲の場合は伸展位から鼻に触れることで評価する。筋力低下を割り引いても存在するときだけ陽性。理解力のない患者・片麻痺の患者は 0。切断・関節癒合は 9 で、理由を記録しておく

8. 感覚

知覚、または検査時の痛みへの渋面、意識障害・失語症の患者では痛み刺激からの逃避反応で評価する。重篤または完全な感覚障害が明らかなときだけ 2 とするので、混迷・失語症の患者は 1 か 0 になる。脳幹部の血管障害で両側の感覚障害があるときは 2。無反応・四肢麻痺の患者は 2。昏睡の患者は 2

9. 最良の言語

絵カードで起きていることを尋ね、呼称カードの物品名を言わせ、文章カードを読ませる。視覚障害で行えないときは、手に置いた物品の同定・復唱・発話を命じる。挿管患者は書字させる。完全に無言、または1段階命令にまったく応じない患者・昏睡の患者は 3

10. 構音障害

失語症でなければ、カードの音読や単語の復唱から発話を引き出す。失語症なら自発語の構音の明瞭さで評価する。挿管など発話を妨げる身体的な障壁は 9 で、理由を記録しておく。患者にこの項目を評価する理由を告げない

11. 消去現象と無視

ここまでの項目の評価中に得た情報で評価する。重い視覚異常で2点同時刺激ができないとき、体性感覚の2点同時刺激が正常なら正常とする。失語があっても両側に注意を向けているように見えれば正常。無視は存在するときだけ評価するので、評価不能はない

注意

  • NIHSS は、意識・視野・眼球運動・顔面神経麻痺・四肢の筋力・失調・感覚・言語などの15項目の素点を合計する尺度で、合計は 0〜42 点(最重症は 39 点)。適正治療指針は、最も一般的に用いられる脳卒中スケールと紹介する。この画面は、点の区分(軽症・重症などの帯)を持たない(指針の表に区分が無い)
  • 評価不能(切断・関節癒合・挿管など)を表す 9 は、合計に加えない。上下肢の運動と構音障害は指針の表6がそう書く。運動失調は、NINDS の採点表が切断・関節癒合を点ではなく UN(評価不能)とするので、同じく加えない。9 を選ぶと、その項目の分だけ合計が小さく出る。9 とした理由は記録しておく(指針の表5。NINDS の採点表も説明を書くよう求める)
  • 表の順(1a から 11)に評価し、逆戻りや評点の変更をしない。間違った答えを患者が修正しても、最初に言った答えで評点する。評点は、患者ができるだろうと医師が推測したことではなく、患者がしたことに合わせる。検査の最中に記録する。指示された部分以外では、患者を誘導しない(指針の表6)
  • 急性期に正確に評価するには、ある程度の訓練が要る(指針)。顔面麻痺は検者間の一致率が最も悪いと報告されている(指針の表6)
  • 指針の表5は上肢・下肢を1項目ずつ書く。NINDS の採点表(2003 版)は 5a・5b・6a・6b と左右を分けて15項目にしていて、この画面はこれに合わせた

出典

  1. 日本脳卒中学会 脳卒中医療向上・社会保険委員会 静注血栓溶解療法指針改訂部会. 静注血栓溶解(rt-PA)療法 適正治療指針 第三版. 2019年3月.(7-3「脳卒中評価スケール」(p.17)・表5(pp.18-19)・表6(p.19)) https://www.jsts.gr.jp/img/rt-PA03.pdf[ガイドライン]
  2. National Institute of Neurological Disorders and Stroke (NINDS). NIH Stroke Scale (2003 版の採点表。Brott 1989 に基づく).(項目 1a〜11(15項目・5a/5b・6a/6b)と UN(評価不能)の注、4. 顔面麻痺 3 点の「一側または両側」、利用条件の文)[原著]
  3. Brott T, Adams HP Jr, Olinger CP, Marler JR, Barsan WG, Biller J, Spilker J, Holleran R, Eberle R, Hertzberg V. Measurements of acute cerebral infarction: a clinical examination scale. Stroke. 1989;20(7):864-870.(原典未見) PMID: 2749846、DOI: 10.1161/01.str.20.7.864[原著]
  4. Lyden P, Brott T, Tilley B, Welch KM, Mascha EJ, Levine S, Haley EC, Grotta J, Marler J; NINDS TPA Stroke Study Group. Improved reliability of the NIH Stroke Scale using video training. Stroke. 1994;25(11):2220-2226.(原典未見) PMID: 7974549、DOI: 10.1161/01.STR.25.11.2220[原著]

確認日: 2026-10-16

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この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。