臨床計算ツール

P/F 比(PaO2/FiO2)

動脈血酸素分圧を吸入酸素濃度の割合で割り、酸素化の程度を 2024 年の世界の ARDS の定義の区切り(300・200・100)で見る

あと 2 項目

40〜500
Torr

動脈血ガスの PaO2。Torr は mmHg と同じ値として入れてよい

21〜100
%

吸入酸素の割合を % で(例: 40)。「0.4」のような割合で書かれていたら 100 を掛ける

計算式

  • P/F 比(mmHg)= PaO2(Torr)÷ FiO2(割合。% を 100 で割った値)。Torr と mmHg は同じ値
  • 区分は 2024 年の世界の ARDS の定義で、挿管して PEEP 5 cmH₂O 以上をかけているときの重症度: 200 超〜300 以下が軽症、100 超〜200 以下が中等症、100 以下が重症。300 以下が酸素化の基準
  • 判定は表示する値(小数第1位)で引く

注意

  • 軽症・中等症・重症の区分は、挿管して PEEP 5 cmH₂O 以上をかけているときの ARDS の重症度の区分(2024 年の世界の ARDS の定義)。ARDS と診断するには、P/F 比のほかに、危険因子(肺炎など)や呼吸器症状の出現・悪化から 1 週間以内の発症、胸部画像(X 線・CT)の両側の陰影(超音波なら両側の B ライン・浸潤影)、肺水腫が心不全や体液過剰だけ、またはそれが主な原因とは言えないこと、も要る
  • 挿管していない患者は、P/F 比 300 以下に加えて、高流量鼻カニュラ酸素療法(30 L/min 以上)か、呼気終末圧 5 cmH₂O 以上の NIV・CPAP を使っていれば酸素化の基準を満たす。この場合、重症度の区分は定められていない
  • それより前のベルリン定義は、区切りは同じで、軽症は挿管していなくても CPAP 5 cmH₂O 以上で当てはめる。高流量鼻カニュラの基準と超音波の所見は、2024 年の定義で加わった
  • 血液ガスは、安静にして、体位・FiO2・流量を変えてから 30 分以上たって測る
  • 挿管していない患者の FiO2 は推定値になる。2024 年の世界の ARDS の定義は、大気の FiO2(0.21 など)に 0.03 × 酸素流量(L/min)を足した値を使う
  • 標高が 1,000 m を超える所では、P/F 比に(その場の気圧 ÷ 760 mmHg)を掛けて補正する。この計算は補正しない
  • ARDS 患者の予後の予測では、P/F 比(100・200 を境にした値)の結果だけで判断しないことが条件付きで勧められている。重症度の判定や治療方針の決定に P/F 比を使うことを否定するものではない
  • 小児の ARDS の定義(PALICC)は、P/F 比でなく酸素化指数(oxygenation index)を使う。このツールの区切りは成人の定義のもの
  • 判定は表示する値(小数第1位)で引く

出典

  1. Matthay MA, Arabi Y, Arroliga AC, et al. A New Global Definition of Acute Respiratory Distress Syndrome. Am J Respir Crit Care Med. 2024;209(1):37-47.(表1と脚注、表2、結果(重症度の区分)) DOI: 10.1164/rccm.202303-0558WS、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10870872/[原著]
  2. ARDS Definition Task Force, Ranieri VM, Rubenfeld GD, et al. Acute respiratory distress syndrome: the Berlin Definition. JAMA. 2012;307(23):2526-2533.(抄録)(原典未見) PMID: 22797452、DOI: 10.1001/jama.2012.5669[原著]
  3. 日本集中治療医学会・日本呼吸器学会・日本呼吸療法医学会 ARDS 診療ガイドライン作成委員会. ARDS 診療ガイドライン 2021. 日本集中治療医学会雑誌. 2022;29:295-332.(CQ1 の解説(p.301)、CQ13(pp.305-306)、小児 ARDS の節(p.323)) https://www.jsicm.org/publication/pdf/220728JSICM_ihardsg.pdf[ガイドライン]

確認日: 2026-10-15

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。