臨床計算ツール

発作性夜間ヘモグロビン尿症の診断基準・重症度分類(指定難病 62)

PNH タイプ赤血球の割合と LDH から診断(Definite)を判定し、溶血所見(LDH・溶血発作・輸血・血栓症など)で軽症・中等症・重症に分ける、指定難病 62 の基準

あと 2 項目

0〜100
%

診断基準の A の 1。GPI アンカー型膜蛋白の欠損赤血球の検出と定量(フローサイトメトリー)で、II 型と III 型を足した割合。1% 以上で当たる。例: 12.5

0.5〜20
× 正常上限

診断基準の A の 2。検査値を、その施設の正常上限で割った倍数。1.5 倍以上で当たる。診断に使う検査所見は、基準に特段の規定が無ければ、どの時期のものでもよい。例: 4.0

0.5〜20
× 正常上限

診断基準の A を満たすときに答える。溶血の程度の目安。正常上限の 3〜5 倍程度が中等度溶血、8〜10 倍程度が高度溶血。治療を始めた後の重症度は、適切な医学的管理のもとで、直近 6 か月間で最も悪い状態を医師が判断する。例: 3.5

溶血発作(肉眼的ヘモグロビン尿を認める状態)の頻度(任意)

「時に」は年に 1〜2 回程度、「頻回」はそれ以上

0〜10
単位/月

定期的な赤血球輸血とは、毎月 2 単位以上の輸血が必要なとき。輸血しない場合は 0。例: 2

血栓症、またはその既往がある(任意)

溶血に伴う臓器障害・症状

妊娠している(任意)

妊娠は溶血発作と血栓症のリスクを高めるため、重症として扱う

透析が必要な腎障害がある(任意)

溶血に伴う臓器障害・症状

平滑筋調節障害(日常生活が困難で、入院を必要とする胸腹部痛や嚥下障害〈嚥下痛、嚥下困難〉)がある(任意)

溶血に伴う臓器障害・症状

肺高血圧症がある(右心カテーテル検査で、安静仰臥位の平均肺動脈圧が 25 mmHg 以上)(任意)

溶血に伴う臓器障害・症状

基準

  • A の 1: PNH タイプ赤血球(II 型 + III 型)が 1% 以上
  • A の 2: 血清 LDH が正常上限の 1.5 倍以上
  • 中等症: 中等度溶血(LDH が正常上限の 3 倍以上の目安)、または時に溶血発作を認める
  • 重症: 高度溶血(LDH が正常上限の 8 倍以上の目安)、恒常的な肉眼的ヘモグロビン尿・頻回の溶血発作、定期的な輸血(毎月 2 単位以上)、血栓症またはその既往・妊娠、透析が必要な腎障害、平滑筋調節障害、肺高血圧症のいずれか

注意

  • 診断基準は「Definite を対象とする」。診断のカテゴリー Definite は、A の 1 と 2 をともに満たすもの
  • 溶血所見が明らかでない微少な PNH タイプ血球陽性の骨髄不全症(subclinical PNH: PNHsc)は、臨床的な PNH とは区別する。PNH ではないが、経過観察中に PNH に移行することがある(概要)
  • 重症度の LDH による溶血の程度は「目安」(中等度溶血は正常上限の 3〜5 倍程度、高度溶血は 8〜10 倍程度)。資料はこの値を「目安」「程度」と書くだけで、5〜8 倍・3 倍未満・10 倍超の扱いを書いていない。この画面は、3 倍以上を中等度以上、8 倍以上を高度として扱う
  • エクリズマブまたはラブリズマブ(補体第5成分に対する抗体薬)は、溶血に対する劇的な抑制効果が示されている(概要)。治療開始後の重症度は、適切な医学的管理のもとで、直近 6 か月間で最も悪い状態を医師が判断する(診断基準及び重症度分類の適応における留意事項)
  • 令和9年4月1日適用の改正版がある(診断の数字と重症度の区切りは現行と同じ)。適用日以後は改正版を確かめる

出典

  1. 厚生労働省. 指定難病 62 発作性夜間ヘモグロビン尿症(概要、診断基準等). 情報提供元: 特発性造血障害に関する調査研究班(研究代表者 三谷絹子).(<診断基準>(A、診断のカテゴリー)、<重症度分類>(溶血所見に基づいた重症度分類と注※1〜※6)、留意事項) https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001173532.pdf[ガイドライン]

    上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)

  2. 厚生労働省. 指定難病 62 発作性夜間ヘモグロビン尿症(概要、診断基準等)令和9年4月1日適用の改正版. 情報提供元: 特発性造血障害に関する調査研究班(研究代表者 黒川峰夫).(<診断基準>、<重症度分類>(現行との差の確認)) https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001681774.pdf[ガイドライン]

    上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)

確認日: 2026-10-16

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。