臨床計算ツール

R ratio(R 値。薬物性肝障害の型の分類)

ALT と ALP を、それぞれの正常上限の何倍かで比べ、薬物性肝障害を肝細胞障害型・混合型・胆汁うっ滞型に分ける

あと 4 項目

5〜5000
U/L

肝障害が最初に分かった時点の値。例: 400

10〜60
U/L

検査室の基準値の上限。例: 40

30〜3000
U/L

ALT と同じ時点の値。例: 200

80〜500
U/L

検査室の基準値の上限(測定法で数が違う)。例: 100

計算式

  • R =(ALT ÷ ALT の正常上限)÷(ALP ÷ ALP の正常上限)。ALT と ALP をそれぞれ正常上限の何倍かにしてから、その比を取る
  • 型の分け方(EASL 2019、厚生労働省のマニュアル): R が 5 以上なら肝細胞障害型、2 以下なら胆汁うっ滞型、2 を超え 5 未満なら混合型。ちょうど 5 は肝細胞障害型、ちょうど 2 は胆汁うっ滞型
  • 判定は表示する値(小数第2位)で引く

注意

  • EASL 2019 の指針は、薬物性肝障害の定義を「ALT が正常上限の 5 倍以上」「ALP が正常上限の 2 倍以上」「ALT が正常上限の 3 倍以上で、同時に総ビリルビンが正常上限の 2 倍を超える」のどれかとしている。日本の厚生労働省のマニュアルが引く DDW-J 2004 の診断基準は、ALT が正常上限の 2 倍の場合、または ALP が正常上限を超える場合を対象とする。どちらの定義に当たるかは、この画面では確かめない
  • EASL 2019 の指針は、薬の開始前から肝機能検査が異常な人では、正常上限の代わりに肝障害が始まる前に得た値の平均を使い、上昇はその値を基準に考える、と述べる
  • EASL 2019 の指針は、肝障害の型は、その出来事に関して最初に得られた検査の値で決めると述べる(酵素の上昇は時間とともに変わる)。同じ時点の ALT と ALP を入れる
  • 指針は R のほかに、ALT だけが高い(EASL: 正常上限の 5 倍以上。日本の DDW-J 2004: 正常上限の 2 倍を超え、ALP が正常上限以下)場合は肝細胞障害型、ALP だけが高い(EASL: 正常上限の 2 倍以上。DDW-J 2004: ALP が正常上限の 2 倍を超え、ALT が正常上限以下)場合は胆汁うっ滞型としている。この画面は R だけで分ける
  • R で分けるのは肝障害の型で、薬物性肝障害かどうかの診断ではない。厚生労働省のマニュアルの DDW-J 2004 の診断基準は、型の分類をしたうえで、発症までの期間・薬物以外の原因の有無などの項目を採点する

出典

  1. Danan G, Bénichou C. Causality assessment of adverse reactions to drugs--I. A novel method based on the conclusions of international consensus meetings: application to drug-induced liver injuries. J Clin Epidemiol. 1993;46(11):1323-1330.(原典未見) PMID: 8229110、DOI: 10.1016/0895-4356(93)90101-6[原著]
  2. European Association for the Study of the Liver. EASL Clinical Practice Guidelines: Drug-induced liver injury. J Hepatol. 2019;70(6):1222-1261.(Patterns of DILI の節、表3) PMID: 30926241、DOI: 10.1016/j.jhep.2019.02.014、https://easl.eu/wp-content/uploads/2019/04/EASL-CPG-Drug-induced-liver-injury-2019-04.pdf[ガイドライン]
  3. 厚生労働省. 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬物性肝障害(平成20年4月、令和元年9月改定).(表19(p.84)、表20(p.87)) https://www.info.pmda.go.jp/juutoku/file/jfm2104009.pdf[ガイドライン]

    上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)

  4. 滝川 一, 恩地 森一, 高森 頼雪, ほか. DDW-J 2004ワークショップ薬物性肝障害診断基準の提案. 肝臓. 2005;46:85-90.(原典未見)[原著]

確認日: 2026-10-15

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。