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RAPID スコア(胸膜感染の予後)

胸膜感染(膿胸・複雑性肺炎随伴胸水)の3か月以内の死亡のリスクを、5項目の点数で3群に分ける(Rahman ら 2014)

あと 5 項目

5〜100
mg/dL

原著は尿素 5 mmol/L 未満が0点、5〜8 が1点、8 を超えると2点。BUN の mg/dL では 14.0 以下が0点、14.1〜22.4 が1点、22.4 を超えると2点(尿素 mmol/L = BUN mg/dL × 0.357)。日本の検査値はふつう BUN(mg/dL)

18〜100
歳

50 歳未満が0点、50〜70 歳が1点、70 歳を超えると2点

P(胸水の膿性): 胸水の見た目
I(感染の場): 感染をどこで受けたか
1.5〜5.5
g/dL

原著の基準は 27(g/L)。g/dL では 2.7 以上が0点、2.7 未満が1点

注意

  • 対象は、英国の胸膜感染の2つのランダム化試験(MIST1・MIST2)に登録された患者。感染を示す臨床所見があり、胸水が肉眼で膿性、培養陽性、Gram 染色陽性、pH 7.2 未満のどれかを満たした患者。導出は MIST1 の 411人、検証は MIST2 の 191人
  • 点数の付け方は、年齢と尿素が 0〜2点、ほかの3項目が 0〜1点で、合計 0〜7点。原著は、胸水が膿性でないほうが転帰が悪かったと報告している(直感に反する。著者は、膿性の胸水のほうが多房化が少なく排液されやすいためかもしれないと考察している)
  • 検証集団(MIST2)では、中リスクの死亡は低リスクと有意に違わず(オッズ比 3.2、95% 信頼区間 0.8〜13.2)、高リスクは有意に高かった(オッズ比 14.1、95% 信頼区間 3.5〜56.8)。著者は、さらに大規模な前向きの検証が必要としている
  • 著者は、5〜7点の患者は12週以内に少なくとも 30% が死亡するとして、栄養状態への対応と、早めの外科的治療を考えることが役立つかもしれないと述べるが、外科的治療の遅れについては今後の研究が要るとしている
  • 尿素とアルブミンの基準は、原著の SI 単位(尿素 mmol/L・アルブミン 27)を、日本の検査の単位(BUN mg/dL・アルブミン g/dL)に換算した値

出典

  1. Rahman NM, Kahan BC, Miller RF, Gleeson FV, Nunn AJ, Maskell NA. A clinical score (RAPID) to identify those at risk for poor outcome at presentation in patients with pleural infection. Chest. 2014;145(4):848-855.(Table 2・Table 4、結果、考察(著者の受理原稿)) PMID: 24264558、DOI: 10.1378/chest.13-1558、https://discovery.ucl.ac.uk/id/eprint/1430484/[原著]
  2. Corcoran JP, Psallidas I, Gerry S, et al. Prospective validation of the RAPID clinical risk prediction score in adult patients with pleural infection: the PILOT study. Eur Respir J. 2020;56(5):2000130.(RAPID の表(Early View 版)・抄録の結果) PMID: 32675200、DOI: 10.1183/13993003.00130-2020、https://openaccess.sgul.ac.uk/112175/6/13993003.00130-2020.full.pdf[解説・総説]
  3. 尿素 mmol/L と BUN mg/dL の換算: 尿素1分子に窒素原子が2個あるので、窒素 14.007 から 尿素 mmol/L = BUN mg/dL × 0.357(BUN mg/dL = 尿素 mmol/L × 2.8014)。尿素 5 mmol/L = BUN 14.01 mg/dL、8 mmol/L = BUN 22.41 mg/dL。アルブミンは 27 g/L = 2.7 g/dL(10 で割る)(換算式)[式の導き方]

確認日: 2026-10-15

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。