ROSE ルール(失神)
救急外来の失神の患者の、1か月以内の重い転帰・死亡の危険(7項目のどれか1つでも)
あと 5 項目
基準
- BNP が 300 pg/mL 以上
- 徐脈(脈拍 50 回/分以下)が救急外来か病院前にあった
- 直腸診で便潜血が陽性
- ヘモグロビンが 9.0 g/dL(90 g/L)以下
- 失神に伴う胸痛がある
- 心電図に Q 波がある(III 誘導を除く)
- 室内気の SpO2 が 94% 以下
注意
- 対象は、失神で救急外来を受診した16歳以上の患者。原著が除いた患者は、同意が得られない、脳卒中を疑う神経脱落が続いている、アルコールが原因の意識消失(呼気アルコールが高く、ほかに原因が無い)、低血糖、外傷、15分を超える発作後の状態を伴うけいれん
- 見ている転帰は、受診から1か月以内の「重い転帰」または全死亡。重い転帰は、急性心筋梗塞、生命に関わる不整脈、ペースメーカーか除細動器を入れる決定、肺塞栓、脳血管障害・頭蓋内出血・くも膜下出血、2単位以上の輸血が要る出血、急ぎの手術や内視鏡の処置。原著の著者は、重い転帰の多くは生命に関わるものではなかったと書いている
- 直腸診は、消化管出血を疑うときに行う。原著の研究でも、直腸診を受けたのは患者の約13%(医師が消化管出血を疑ったとき)で、著者はすべての失神の患者への直腸診を勧めていない
- ヘモグロビンの境目は、原著の抄録と Figure 2 が 90 g/L 以下、本文の1か所が 90 g/L 未満と書く。この画面は Figure 2 の「90 g/L 以下」(9.0 g/dL 以下)で判定する
- BNP 300 pg/mL 以上だけで、検証のコホートの重い転帰か死亡 39件のうち 16件(41%)、心血管の重い転帰 22件のうち 8件(36%)、全死亡 9件のうち 8件(89%)を拾った
- 規則全体の成績。導出のコホート(529人)では、感度 92.5%・特異度 73.8%・陽性的中率 22.4%・陰性的中率 99.2%だった。検証のコホート(538人)では、感度 87.2%・特異度 65.5%・陽性的中率 16.5%・陰性的中率 98.5%だった
- 検証のコホート(538人)では、1か月以内の重い転帰か死亡があった 39人のうち 5人をこの規則は見逃した
- 英国の1施設(エジンバラ)で、導出と検証をした規則。著者は、外部での検証が要ると書いている
出典
- Reed MJ, Newby DE, Coull AJ, Prescott RJ, Jacques KG, Gray AJ. The ROSE (Risk stratification Of Syncope in the Emergency department) study. J Am Coll Cardiol. 2010;55(8):713-721.(抄録・Methods・Results・Figure 2) PMID: 20170806、DOI: 10.1016/j.jacc.2009.09.049、https://www.pure.ed.ac.uk/ws/files/9286896/The_ROSE_Risk_Stratification_of_Syncope_in_the_Emergency_Department_Study.pdf[原著]
確認日: 2026-10-14
免責
この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。