S-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)の初回基準量
体表面積から1回量(テガフール相当量)を求める。用法 A〜F 法と、乳癌の術後薬物療法(クレアチニンクリアランス別)
Du Bois 式で求めた体表面積 あと 2 項目
朝食後の1回量(テガフール相当量) あと 3 項目
夕食後の1回量(テガフール相当量) あと 3 項目
連日投与の日数(1コースの前半) あと 1 項目
その後の休薬の日数(1コースの後半) あと 1 項目
計算式
- 用法 A〜E 法(初回基準量): 体表面積 1.25 m² 未満は 40 mg/回、1.25 m² 以上 1.5 m² 未満は 50 mg/回、1.5 m² 以上は 60 mg/回(テガフール相当量。朝食後・夕食後)
- 用法 F 法(初回基準量): 体表面積 1.25 m² 未満は 朝 40 mg・夕 20 mg、1.25 m² 以上 1.5 m² 未満は 40 mg/回、1.5 m² 以上は 50 mg/回
- 乳癌の術後薬物療法(ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスク)(14 日間連日・7 日間休薬を 1 コースとして最長 1 年間。内分泌療法剤との併用): CCr 80 mL/min 以上は A〜E 法と同じ初回基準量。CCr 50 mL/min 以上 80 mL/min 未満は、体表面積 1.25 m² 未満で 朝 20 mg・夕 40 mg、1.25 m² 以上 1.5 m² 未満で 40 mg/回、1.5 m² 以上で 50 mg/回から開始する。CCr 50 mL/min 未満は有効性及び安全性が確立していないので、量を出さない
- 体表面積は身長・体重から Du Bois 式で求める: BSA(m²)= 0.007184 × 体重(kg)の0.425乗 × 身長(cm)の0.725乗。小数第2位に丸めた値で区分を見る(1.25 ちょうどは真ん中、1.50 ちょうどは上。画面に出す体表面積と、引いた区分が食い違わない)。錠数への換算はしない
注意
- 添付文書の警告(1.): 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施する。適応患者の選択にあたっては各併用薬剤の電子添文を参照し、治療開始に先立ち患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明して同意を得る(1.1)。投与制限毒性が骨髄抑制なので、頻回に臨床検査を実施する(1.2)。劇症肝炎等の重篤な肝障害に注意し、定期的に肝機能検査を行い、食欲不振を伴う倦怠感などの前兆に気をつけ、黄疸(眼球黄染)があらわれたら直ちに投与を中止する(1.3)。他のフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤(これらとの併用療法を含む)やフルシトシンとは併用しない(1.4)
- 量はレジメン・効能・腎機能・前治療で変わる。ここに出すのは添付文書の初回基準量(1回量)で、実際の量はレジメンと添付文書で確かめる。胃癌・結腸・直腸癌・頭頸部癌・非小細胞肺癌・手術不能又は再発乳癌・膵癌・胆道癌では、添付文書は、投与スケジュール・周術期治療の投与期間・腎機能に応じた投与量・併用する他の抗悪性腫瘍剤について、国内外の最新のガイドライン等を参考に選択するとしている(7.5)。乳癌の術後薬物療法には 7.5 は当たらず、CCr 別の開始量の表(7.9)がある
- A法は、患者の状態により適宜増減する。増量は、臨床検査値異常(血液検査・肝・腎機能検査)と消化器症状が無く、安全性に問題がなく増量できると判断されるときに、初回基準量から一段階までとし、75 mg/回を限度とする。B法〜F法は、患者の状態により適宜減量する。治療上やむを得ず休薬期間を短縮するときも、少なくとも7日間の休薬期間を設ける(7.1。手術不能又は再発乳癌で休薬期間を短縮したときの安全性は確立していない)
- 乳癌の術後薬物療法(ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスク)は、内分泌療法剤との併用で、朝食後・夕食後の1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬するのを1コースとして、最長1年間繰り返す。患者の状態により適宜増減するが、初回基準量を超える増量は行わない(6.)。他の抗悪性腫瘍剤との併用の有効性及び安全性は確立していない(7.8)
- 乳癌の術後薬物療法では、術前薬物療法としての本剤の有効性及び安全性は確立していない(5.3)。臨床試験に組み入れられた患者の再発高リスクの定義等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者を選ぶ(5.4)。このツールは、再発高リスクかどうかを判定しない
- クレアチニンクリアランス別の開始量の表(7.9)は、添付文書では乳癌の術後薬物療法(ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスク)の項に書かれ、CCr 50 mL/min 以上 80 mL/min 未満の患者の開始量とされている。このツールでは、乳癌の術後薬物療法の用法を CCr の区分(80 以上/50 以上 80 未満)で選ぶ形にし、A〜F 法には CCr 別の量を出さない。胃癌・結腸・直腸癌・頭頸部癌・非小細胞肺癌・手術不能又は再発乳癌・膵癌・胆道癌の腎機能に応じた量は、添付文書に表が無く、ガイドライン等を参考に選択するとされている(7.5)
- 乳癌の術後薬物療法では、クレアチニンクリアランスが 50 mL/min 未満の患者での有効性及び安全性は確立していない(7.10)。このツールでは CCr 50 mL/min 未満の用法を選べない。どの効能でも、重篤な腎障害のある患者には投与しない(禁忌 2.3)。腎障害のある患者では、ギメラシルの腎排泄が低下して血中フルオロウラシル濃度が上がり、骨髄抑制などが強く出るおそれがある(9.2.2)
- 乳癌の術後薬物療法の CCr 別の量の表(7.9)の注で、添付文書は、CCr の実測値が無い場合は、投与前の血清クレアチニン値・性別・年齢・体重から Cockcroft-Gault 式で求めた推定値を使うとしている(女性は 0.85 倍)。このツールは CCr を計算せず、求めた CCr が 80 mL/min 以上か 50 以上 80 未満かで、用法の選択肢を選ぶ
- 添付文書は体表面積の算出式を定めていない。このツールは Du Bois 式(BSA = 0.007184 × 体重^0.425 × 身長^0.725)で求め、小数第2位に丸めた値を表(区切りは 1.25・1.5 m²)に当てて区分を引く。ほかの式(藤本式など)や丸め方では、区分の境目の近くで区分が1段変わることがある。施設の取り決めの式で体表面積を求めているときは、その値で添付文書の表を確かめる
- 量は「テガフール相当量(mg/回)」。錠数・カプセル数・顆粒の量への換算はしない。1回量を増減するときの段階は、胃癌〜胆道癌の効能のA法で患者の状態に合わせて増減する場合の参考として、休薬←40←50←60←75 mg/回(増量は1コースごとに一段階まで)と添付文書に書かれている(7.6)
- 禁忌(重篤な骨髄抑制・重篤な腎障害・重篤な肝障害・ほかのフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤やフルシトシンの投与中・妊婦など、2.)と、併用禁忌(10.1)は、添付文書で確かめる。食後投与とする(7.3)。成人の量で、小児等を対象とした臨床試験は実施していない(9.7)
出典
- ティーエスワン配合OD錠T20・T25 添付文書. 2025年1月改訂(第4版).(6. 用法及び用量(A法〜F法・初回投与量の表)、7.1・7.5・7.6・7.9・7.10、2.3、9.2.2、1.(警告)、5.3・5.4、7.8) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/400107_4229101F1026_1_09[添付文書]
上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)
- ティーエスワン配合カプセルT20・T25、ティーエスワン配合顆粒T20・T25 添付文書. 2025年1月改訂(第4版).(6. 用法及び用量(A法〜F法・初回投与量の表)、7.9・7.10) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/400107_4229101D1025_1_14[添付文書]
上記の資料をもとに、当ツールが編集・加工して作成しました(国・作成元が作成したものではありません)
- Toi M, Imoto S, Ishida T, et al. Adjuvant S-1 plus endocrine therapy for oestrogen receptor-positive, HER2-negative, primary breast cancer: a multicentre, open-label, randomised, controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2021;22(1):74-84.(抄録)(原典未見) DOI: 10.1016/S1470-2045(20)30534-9[原著]
確認日: 2026-10-21
免責
この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。