S/F 比(SpO2/FiO2)
SpO2 を吸入酸素濃度の割合で割り、動脈血ガスなしで酸素化の程度を 2024 年の世界の ARDS の定義の区切り(315・235・148)で見る
あと 2 項目
計算式
- S/F 比 = SpO2(%)÷ FiO2(割合。% を 100 で割った値)
- 区分は 2024 年の世界の ARDS の定義で、挿管して PEEP 5 cmH₂O 以上をかけているときの重症度: 235 超〜315 以下が軽症、148 超〜235 以下が中等症、148 以下が重症。315 以下が酸素化の基準(SpO2 97% 以下のとき)
- 判定は表示する値(小数第1位)で引く
注意
- S/F 比は SpO2 が 97% を超えるときは使えない(SpO2 97% 超では酸素化の重さを映さない)
- 軽症・中等症・重症の区分は、挿管して PEEP 5 cmH₂O 以上をかけているときの ARDS の重症度の区分(2024 年の世界の ARDS の定義)。ARDS と診断するには、S/F 比のほかに、危険因子(肺炎など)や呼吸器症状の出現・悪化から 1 週間以内の発症、胸部画像(X 線・CT)の両側の陰影(超音波なら両側の B ライン・浸潤影)、肺水腫が心不全や体液過剰だけ、またはそれが主な原因とは言えないこと、も要る
- 挿管していない患者は、S/F 比 315 以下(SpO2 97% 以下)に加えて、高流量鼻カニュラ酸素療法(30 L/min 以上)か、呼気終末圧 5 cmH₂O 以上の NIV・CPAP を使っていれば酸素化の基準を満たす。この場合、重症度の区分は定められていない。資源の限られた場所向けに修正した定義は、S/F 比 315 以下(SpO2 97% 以下)で、PEEP も最低流量も求めない
- パルスオキシメーターは、波形が十分に出ていて、センサーが正しく付いていることを確かめて読む。ヘモグロビンの異常が疑われるときは、診断にパルスオキシメーターを勧めない
- 皮膚の色が濃い患者やショックの患者では、パルスオキシメーターが低酸素血症に十分な感度を持たないことがある。臨床の疑いが強いのに基準に当たらないときは、可能なら動脈血ガスを測る
- 測定は、安静にして、体位・FiO2・流量を変えてから 30 分以上たって行う。挿管していない患者の FiO2 は推定値で、この定義は、大気の FiO2(0.21 など)に 0.03 × 酸素流量(L/min)を足した値を使う
- 標高が 1,000 m を超える所では、S/F 比に(その場の気圧 ÷ 760 mmHg)を掛けて補正する。この計算は補正しない
- 判定は表示する値(小数第1位)で引く
出典
- Matthay MA, Arabi Y, Arroliga AC, et al. A New Global Definition of Acute Respiratory Distress Syndrome. Am J Respir Crit Care Med. 2024;209(1):37-47.(表1と脚注、結果と考察(SpO2/FiO2 の節)) DOI: 10.1164/rccm.202303-0558WS、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10870872/[原著]
確認日: 2026-10-15
免責
この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。