ショック指数(Shock Index、SI)
心拍数を収縮期血圧で割った値。血圧が保たれているうちに、循環の悪化に気づく手がかり
あと 2 項目
計算式
- ショック指数(SI)= 心拍数(回/分)÷ 収縮期血圧(mmHg)。単位のない値
- 判定の帯は置かない。区切りの値は資料や病態によって異なる(注意の欄)
注意
- 心拍数 ÷ 収縮期血圧。心拍数と収縮期血圧が代償の時期には正常に見えても、指数が先に上がることがあるため、血圧だけで判断しないための補助として使われる
- 区切りの値は、総説が並べる研究だけでも病態や目的によって異なり、1つの値には決まっていない。正常は 0.5〜0.7 とされる(その根拠は小児の研究で、0.9 までを許容する研究もある)。外傷の大量輸血では 0.9 を超えるあたりから、外傷のトリアージでは 1.0 を超える値、急性心筋梗塞(STEMI)では 0.8 以上、肺塞栓症では 1 以上、敗血症では 0.7 を超える値が、それぞれの研究で使われている。このため、このツールは帯を置かず、値だけを出す
- 産科の出血では、日本産科婦人科学会などの「産科危機的出血への対応指針 2022」が SI を管理の指標にしている。分娩時の出血で SI が 1 になれば、一次施設では高次施設への搬送も考えて輸血の準備をし、各種の対応をしても、出血が続きバイタルサインに異常がある・SI 1.5 以上・産科 DIC スコア 8点以上・フィブリノゲン 150 mg/dL 未満のどれか1つに当たれば「産科危機的出血」を宣言する。妊婦の SI 1 は約 1.5 L、SI 1.5 は約 2.5 L の出血量と推測されるとされる。この区切りは産科の出血の場面のものである
- 年齢、降圧薬、β遮断薬やカルシウム拮抗薬のように心拍数を抑える薬、β刺激薬などで、心拍数と血圧が変わり、指数の意味が変わる。高齢者は頻脈になりにくい。小児は年齢ごとに正常の心拍数・血圧が違うため、年齢で調整した指数が提案されている
- 指数だけで重症の病態を診断したり、否定したりしない。総説も、単独で使わないよう注意している
- 収縮期血圧が 0 の入力では計算できない(割り算にならない)。心拍数が 0 のときの 0.00 は、数としては出るが、意味のある値ではない
出典
- Allgöwer M, Burri C. Schockindex. Dtsch Med Wochenschr. 1967;92(43):1947-1950.(本文)(原典未見) PMID: 5299769、DOI: 10.1055/s-0028-1106070[原著]
- 日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会, 日本周産期・新生児医学会, 日本麻酔科学会, 日本輸血・細胞治療学会. 産科危機的出血への対応指針 2022. 2022年1月改訂.(対応のフロー図の SI の欄(妊婦の SI と出血量の目安)と、産科医の対応の説明(SI 1・SI 1.5 以上)) https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/shusanki_taioushishin2022.pdf[ガイドライン]
- Koch E, Lovett S, Nghiem T, Riggs RA, Rech MA. Shock index in the emergency department: utility and limitations. Open Access Emerg Med. 2019;11:179-199.(本文(定義、正常範囲、病態ごとの研究、限界の節)) DOI: 10.2147/OAEM.S178358、https://www.dovepress.com/shock-index-in-the-emergency-department-utility-and-limitations-peer-reviewed-fulltext-article-OAEM[解説・総説]
確認日: 2026-10-15
免責
この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。