臨床計算ツール

SLiM-CRAB(骨髄腫の定義となる事象)

骨髄の形質細胞・遊離軽鎖・MRI の病変(SLiM)と、高カルシウム血症・腎不全・貧血・骨病変(CRAB)から、骨髄腫の定義となる事象があるかを見る

あと 8 項目

0〜100
%

骨髄検査での割合。例: 12.5

3〜20
mg/L

血清の遊離軽鎖(FLC)の κ 鎖の濃度。基準の目安は 3.3〜19.4 mg/L。例: 15.2

5〜27
mg/L

血清の遊離軽鎖(FLC)の λ 鎖の濃度。基準の目安は 5.7〜26.3 mg/L。例: 18.0

0〜30
か所

大きさの基準(5 mm)を満たす巣状病変の数。ちょうど 5 mm の扱いは注意を参照。MRI を撮っていなければ 0

7〜14
mg/dL

形質細胞腫瘍によると考えられる高値を見る。例: 10.4

9〜11
mg/dL

基準上限より 1 mg/dL を超えて高いかを見るのに使う。空欄なら、11 mg/dL を超えるかだけを見る

0.3〜15
mg/dL

形質細胞腫瘍によると考えられる腎障害を見る。2 mg/dL を超えると腎不全の基準

5〜150
mL/min

測っていれば入れる。40 mL/min 未満で腎不全の基準。空欄なら、クレアチニンだけで見る

5〜20
g/dL

形質細胞腫瘍によると考えられる貧血を見る。10 g/dL 未満で貧血の基準

11〜14
g/dL

基準下限より 2 g/dL を超えて低いかを見るのに使う。空欄なら、10 g/dL 未満かだけを見る

0〜30
か所

X 線・CT・PET/CT で確かめた溶骨性病変の数。画像を撮っていなければ 0

計算した値

  • 血清カルシウム - 施設の基準上限(小数第1位に四捨五入してから基準と比べる)
  • ヘモグロビンの施設の基準下限 - ヘモグロビン(小数第1位に四捨五入してから基準と比べる)
  • 大きいほうの鎖 ÷ 小さいほうの鎖(κ が多ければ κ/λ、λ が多ければ λ/κ。小数第2位に四捨五入してから基準 100 と比べる)
  • κ と λ の大きいほう(濃度が高いほうを関与する鎖とする。小数第2位に四捨五入してから基準 100 mg/L と比べる)

基準

  • 【SLiM】骨髄のクローナルな形質細胞が 60% 以上
  • 【SLiM】関与する/関与しない遊離軽鎖の比が 100 以上で、関与する遊離軽鎖が 100 mg/L 以上
  • 【SLiM】MRI で 5 mm の基準を満たす巣状病変が2か所以上(1を超える)
  • 【CRAB】高カルシウム血症: 血清カルシウムが 11 mg/dL を超える、または施設の基準上限より 1 mg/dL を超えて高い
  • 【CRAB】腎不全: クレアチニンクリアランスが 40 mL/min 未満、または血清クレアチニンが 2 mg/dL を超える
  • 【CRAB】貧血: ヘモグロビンが 10 g/dL 未満、または施設の基準下限より 2 g/dL を超えて低い
  • 【CRAB】骨病変: 溶骨性の病変が2か所以上、または骨髄のクローナルな形質細胞が 10% 以上で1か所以上

注意

  • SLiM-CRAB は「骨髄腫の定義となる事象(MDE)」の一覧で、これだけでは多発性骨髄腫の診断にならない。多発性骨髄腫の診断は、骨髄のクローナルな形質細胞が 10% 以上、または生検で確かめた骨・骨外の形質細胞腫があり、MDE が1つ以上あること。この計算は形質細胞腫の有無を聞かず、診断名は出さない(診断の区分は「IMWG による形質細胞腫瘍の診断基準」で見る)
  • 骨病変は、骨髄のクローナルな形質細胞が 10% 未満のときは2か所以上を数える(日本血液学会の表1 は多発性骨髄腫の行の注として置き、行全体の条件にも読める。この計算は、この注を骨病変の項の条件として扱い、骨病変以外の項目は骨髄が 10% 未満でも数える)。骨髄が 10% 以上なら溶骨性病変1か所で CRAB の骨病変になる
  • SLiM の遊離軽鎖は、関与する/関与しない鎖の比が 100 以上で、関与する鎖が 100 mg/L 以上のとき。κ と λ の濃度を別々に入れ、この計算では濃度が高いほうを関与する鎖として比と濃度を出す。どちらかが極端に低いと比は非常に大きくなる
  • MRI の巣状病変の大きさの基準は資料で書き方が割れる: 日本血液学会の付表は「5 mm 以上」、日本血液学会の本文は「5 mm を超える」。ちょうど 5 mm の病変を数えるかは、この計算では入力する人に任せている
  • MRI や画像検査を行っていないときの 0 は、「所見なし」ではなく「検査していない」ことがある。その場合、MDE を見逃した結果になりうる。遊離軽鎖・クレアチニンクリアランス・施設の基準値を空欄にしたときは、その基準は満たさない扱いになる

出典

  1. Rajkumar SV, Dimopoulos MA, Palumbo A, et al. International Myeloma Working Group updated criteria for the diagnosis of multiple myeloma. Lancet Oncol. 2014;15(12):e538-e548.(全体)(原典未見) PMID: 25439696、DOI: 10.1016/S1470-2045(14)70442-5[原著]
  2. 日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版). 多発性骨髄腫・総論.(表1「IMWG による形質細胞腫瘍の診断規準」と付表(MDE・biomarker)) https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/3_1_1.html[ガイドライン]
  3. Rajkumar SV. Multiple myeloma: 2022 update on diagnosis, risk stratification, and management. Am J Hematol. 2022;97(8):1086-1107.(Table 1(IMWG の診断基準。Lancet Oncol 2014 の表の再掲))(原典未見) PMID: 35560063、DOI: 10.1002/ajh.26590[解説・総説]

確認日: 2026-10-16

免責

この計算は医療者の判断を補助するためのものです。結果は参考情報であり、診断・治療の判断は担当の医療者が行ってください。入力した値は端末の外に送りません。