旧厚生省 DIC 診断基準(旧版)
DIC の診断(1988年改訂の旧版。現行は日本血栓止血学会 DIC 診断基準 2017年版)
これは旧版です。現行版は 日本血栓止血学会 DIC 診断基準 2017年版
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注意
- 1988年改訂の旧版。現在の日本血栓止血学会 DIC 診断基準 2017年版(jsth-dic-2017)に代わっている。新しい基準は、旧基準が感染症の DIC で感度が低いこと、凝固活性化の分子マーカーを使わないこと、肝不全を DIC と誤診しうることを踏まえて作られた。臨床では 2017年版を使う
- 旧基準には、基礎疾患の有無が点数に含まれる(DIC に必須の基礎疾患が点数になる)ことや、出血症状・臓器症状の定義が明確でなく医師によって点数が変わりうることが指摘されている。敗血症に代表される線溶抑制型の DIC では、FDP の著しい上昇が見られず、フィブリノゲンはむしろ増えるため、感度が下がる
- 肝不全では PT の延長・フィブリノゲンと血小板の減少が DIC でなくても起こり、この基準では DIC と誤診されやすい
- 肝硬変と、肝硬変に近い病態の慢性肝炎では、合計から3点を引いて判定する。この引き算は臨床で必ずしも行われておらず、DIC の誤診の一因になっていたと、2017年版の解説に書かれている
- 合計が DIC の疑いの点数(非白血病群6点・白血病群3点)のときは、診断のための補助的検査成績・所見(可溶性フィブリンモノマー陽性、D-ダイマーの高値、TAT の高値、PIC の高値、病態の進展に伴う得点の増加傾向、抗凝固療法による改善)のうち2項目以上を満たせば DIC と判定する(内山 2010 の表5 の注3)。疑いの点数でなければ、補助的検査は判定に使わない
- 表5 の除外規定は、新生児・産科領域と劇症肝炎の DIC には適用しないとしている。産科・新生児の DIC にはこの基準を使わない。なお同じ表の注2 は、基礎疾患が肝疾患の場合に肝硬変と肝硬変に近い病態の慢性肝炎だけ3点を引き、劇症肝炎などは基準をそのまま適用するとも書いており、劇症肝炎の扱いは表の中で食い違っている。同じ文献の本文(p.567)は、1988年の改訂で劇症肝炎を除外に加えたと書いているので、劇症肝炎にはこの基準を使わない
- 白血病群は、出血症状と血小板数を0点として扱い、合計4点以上で DIC と診断する。白血病とその類縁疾患、再生不良性貧血、抗腫瘍薬の投与後などで骨髄の巨核球が著しく減り、高度の血小板減少があるときに当たる
出典
- Kobayashi N, Maekawa T, Takada M, Tanaka H, Gonmori H. Criteria for diagnosis of DIC based on the analysis of clinical and laboratory findings in 345 DIC patients collected by the Research Committee on DIC in Japan. Bibl Haematol. 1983;(49):265-275.(原典未見) PMID: 6667250、https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6667250/[原著]
- 青木延雄, ほか. DIC 診断基準 1988年改正. 厚生省特定疾患血液凝固異常症調査研究班報告. 1988.(原典未見)[原著]
- Asakura H, Takahashi H, Uchiyama T, et al; DIC subcommittee of the Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis. Proposal for new diagnostic criteria for DIC from the Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis. Thromb J. 2016;14:42.(Table 1(JMHW の列と脚注)) PMID: 27708553、DOI: 10.1186/s12959-016-0117-x、https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5039801/[ガイドライン]
- 朝倉英策, 高橋芳右, 内山俊正, ほか. 日本血栓止血学会 DIC 診断基準 2017 年版. 日本血栓止血学会誌. 2017;28(3):369-391.(5. 新しい DIC 診断基準 の 6)旧基準と新基準の相違点(p.386)) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsth/28/3/28_2017_JJTH_28_3_369-392/_pdf/-char/ja[ガイドライン]
- 内山俊正. 厚生省 DIC 診断基準の背景―その成立から現在まで―. 血栓止血誌. 2010;21(6):562-571(特集: DIC 診断基準を考察する).(表5「厚生省 DIC 診断基準(1988 年改訂)」と注(判定の点数・注1 白血病など・注2 肝硬変の3点減点・注3 疑いのときの補助的検査と除外規定)) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsth/21/6/21_6_562/_article[解説・総説]
- 早川峰司, 丸藤哲. 急性期DIC診断基準と治療は? 救急・集中治療. 2009;21(7・8):1095-1102.(Q: DIC の診断基準が色々ありますが何が違うのですか?) https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/repo/huscap/all/48116/KS21-7_8_1095-1102.pdf[解説・総説]
確認日: 2026-10-13
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