急変の多くは、その前に記録に残っています。体重が増えている。尿が減っている。呼吸数が、静かに上がっている。
一方で、カルテに何も残っていない急変もあります。この教材は、その両方を扱います。
指導者がいなくても、1人で最後まで進められます。
術後4日目、微熱と頻脈だけの患者。所要15〜25分。
| 測定項目 | 8/15 | 8/16 | 8/17 06:00 | 8/17 14:00 |
|---|---|---|---|---|
| 体温(℃) | 36.8 | 36.9 | 37.4 | 38.9 |
| 脈拍(回/分) | 88 | 96 | 104 | 122 |
| 血圧(mmHg) | 124/70 | 118/68 | 108/60 | 84/48 |
| 呼吸数(回/分) | 18 | 20 | 24 | 28 |
| SpO₂(%) | 97 | 96 | 95 | 93 |
| 尿量(mL/日) | 900 | 700 | 180 | 60 |
設問はその症例のデータから作られます。選択肢の誤答には、現場で実際に起こりやすい誤りが混ざります。記述は書いたあとで模範と並べて比べられます。
対面の演習では、この進行を指導者が受け持ちます。同じ症例を、予習に自己学習で、当日は対面で、という使い分けもできます。
紙の事例やスライドでは、急変時のバイタルも、事後の検査結果も、確定診断も、最初から全部そこにあります。学習者は結論を知った状態で「敗血症ですね」と答えます。実際の臨床とは順序が逆です。
全ての情報が最初から見えている。異常値だけが載っているので、載っている項目そのものがヒントになる。学習者は推論ではなく、正解の再現をする。
開始時点では、その時刻までの記録しか見えない。指導者がフェーズを進めると、新しい記録や検査結果が届く。学習者は限られた情報で判断し、必要なものを自分で求める。
ブラウザで開くだけで動きます。インストールも、アカウントも要りません。対面の演習にも、1人での自己学習にも使えます。
| 1人でも学べる | 自己学習モードでは、上の7ステップを学習者だけで進められます。設問はその症例のデータから作られ、誤答の選択肢には現場で起こりやすい誤りが混ざります。記述は書いたあとに模範と並べて比較できます。eラーニング、演習前の予習、演習後の復習に。 |
|---|---|
| 情報を段階的に開く | 指導者がフェーズを進めると、その時刻までの経過記録・バイタル・検査・画像だけが学習者に届きます。新着には NEW が付き、タブに印が出ます。「異常です」とは書きません。何かが増えたことだけを伝えます。 |
| 学習者と指導者で画面が違う | 学習者用のURLを配ると、進行表・模範記録・指導者コンソールは表示されません。症例の切り替えもできません。同じファイルのまま、見える範囲だけが変わります。 |
| 採血は標準セットを全項目 | 血算・凝固・生化学・炎症など35項目前後を全症例で表示します。関係のない項目も基準値内の値で並ぶので、測られている項目からは病態を推測できません。Hbが下がればHtとRBCも連動し、Creから年齢・性別に応じたeGFRを計算しています。 |
| 異常値の強調を切れる | Beginner/Standard/Advanced の3段階。Advancedでは検査値のH・L表示もバイタルの▲印も消え、実際のカルテと同じ条件になります。 |
| 蘇生記録はタップだけ | 心停止発見、胸骨圧迫、通電、薬剤。ボタンを押すと経過時間と時刻が入ります。圧迫の中断時間と圧迫比率(CCF)が自動で出るので、デブリーフィングで数字を示せます。 |
| トリアージを自分でやる | 救急外来の事例では、患者が書いた問診票のスキャンと第一印象だけが見えます。バイタルは「測定する」を押して初めて開きます。緊急度と待機場所を選んで確定すると、適切/アンダー/オーバーの判定が返ります。 |
| 症例を足せる | 自分の病棟の症例を追加できます。概要を書いてAIに下書きを作らせ、貼り付けるとカルテが開きます。数値の整合は自動で点検します。近い症例を複製して数値だけ変えることもできます。 |
| 行動の時刻が残る | 酸素投与、医師へ報告、RRT要請、CPR開始。押した時刻がタイムラインに並び、「異変から医師報告まで何分」が自動計算されます。採点のためではなく、本人が自分の判断のタイミングを見るためのものです。 |
病院の電子カルテに寄せた見た目にしています。タブの並び、SOAPの色分け、看護問題リスト。学習者が初めて開いても、どこに何があるか迷いません。
| 手術 | 2026年8月13日 腹腔鏡下低位前方切除術(直腸癌 StageⅡ) |
|---|---|
| 本日 | 2026年8月17日 術後第4病日 |
| 既往 | 2型糖尿病(HbA1c 7.8%)、高血圧症。喫煙 25本/日×45年 |
| 留置物 | 骨盤ドレーン(左下腹部)、膀胱留置カテーテル(8/16抜去) |
| 8/13 | 腹腔鏡下低位前方切除術。骨盤ドレーン留置 |
|---|---|
| 8/15 | 歩行開始。BT 36.9℃、HR 84 |
| 8/16 18:00 | BT 37.5℃、HR 100。ドレーン排液がやや混濁 |
(麻酔覚醒後)「思ったより痛くない」
O腹腔鏡下低位前方切除術。手術時間4時間10分、出血量150mL。骨盤ドレーンを左下腹部より留置。帰室時 BT 36.7℃、HR 80、BP 134/78。
A低位の吻合であり、糖尿病、長期喫煙、低栄養という縫合不全の危険因子を有する。術後3〜7日目に発症しうる。
P#1 直腸癌 低位前方切除術後
骨盤ドレーンの量と性状を各勤務帯で記録
#2 2型糖尿病
毎食前と眠前に血糖測定
左が患者概要、右が経過記録です。医師と看護師の記録は職種ごとに分かれ、SOAPは色で区別されます。「学習者用(A・Pを伏せる)」を押すと、アセスメントと計画が隠れます。学習者はSとOだけを読んで、自分で考えることになります。
同じ「急変」でも、カルテに何が残っているかは違います。予兆を探す訓練と、予兆がなくても動ける準備は、別々に練習する必要があります。
問診票と第一印象から絞り込む。めまいと失神、所見に乏しい激痛、若年女性の呼吸困難。
術後出血、低血糖、急性心不全、オピオイドによる呼吸抑制、誤嚥性肺炎、弁膜症の再燃、低カリウム血症、縫合不全、気管カニューレの閉塞。
カルテ上の予兆に乏しい。肺塞栓、大動脈解離、脳出血、緊張性気胸、心室細動、アナフィラキシー、頸部血腫による窒息、CV挿入後の気胸、高カリウム血症、QT延長。
消化管出血、高カリウム血症による徐脈、敗血症性ショック、嘔吐による低カリウム血症。
心不全の退院支援、術後呼吸不全。悪化させない働きかけが主題。
各症例に、患者情報・既往・内服・入院経過、医師と看護師のSOAP記録、他職種記録、6時点以上のバイタル、病態に応じた血液検査と血液ガス、画像レポート、医師指示が入っています。指導者用には、場面の読み上げ文、ABCDEの開示情報、対応の適否で分岐する進行表、評価チェックリスト、SBAR例、陥りやすい落とし穴、デブリーフィングの問い、模範SOAP記録が付きます。
収録している28症例だけでは、どうしても自分の現場と噛み合わない部分が残ります。実際にヒヤリとした事例、部署でよく起きる急変、新人に必ず伝えたい場面。それを1件ずつ足していけます。
| 概要を書く | 「透析患者の内シャント閉塞。前日にスリルの減弱と穿刺困難があり、翌朝に高カリウム血症で徐脈へ」のように、作りたい症例を1〜3行で書きます。分類と難易度を選ぶだけです。 |
|---|---|
| AIに下書きを書かせる | ボタンを押すと、生成AIへの指示文がコピーされます。収録済みの症例1件をお手本として含めているので、SOAP記録もバイタルの推移も同じ密度で返ってきます。 |
| 貼るとカルテが開く | 返ってきた内容を貼り付けると、その場でカルテが開きます。フェーズも自己学習の設問も、既存の症例と同じように動きます。 |
| 数値の整合を自動で点検 | 血液ガスが pH=6.1+log₁₀(HCO₃⁻÷(0.03×PaCO₂)) と合っているか。Hb と Ht の比、Cre と eGFR、収縮期と拡張期の逆転、生年月日と年齢、検査値の数。「要修正」と「確認」に分けて表示します。 |
| 手で直せる | 患者情報からバイタル、検査、SOAP記録、台本まで、フォームで書き換えられます。近い症例を複製して数値だけ変える使い方もできます。 |
点検が通っても、それは数値の整合が取れているというだけです。その症例が臨床的にありうるか、薬剤の用量が適切かは機械には判断できません。使う前に必ず指導者が読んでください。
指導者用タブの「設定・連携」に表示されるURLです。開いた瞬間に自己学習の画面が出ます。
カルテを読んで設問に答えるだけです。フェーズは自動で開きます。
SBARとアセスメントは、自分で書いてから模範と並べて確認します。
指導者用タブで症例を選び、「シナリオ開始」を押します。経過時間が動き出します。
同じ画面に表示されるURLを、学習者の端末で開いてもらいます。指導者用の画面は自動で隠れます。
気づいてほしいことに気づいたら次へ。気づかなければ、状態を悪化させます。行き過ぎたら前に戻せます。
Phase 1 では、その時点までの記録しか見えません。そこから何を読み取れるか、ご自分で試すのがいちばん早いと思います。15分あれば1周できます。
自己学習の画面では、指導者用のタブと症例の切り替えは表示されません。指導者の画面では、28症例の切り替えとフェーズの操作ができます。