数百万円の人形がなければ急変対応の教育ができない、ということはありません。必要なのは、患者の状態を伝える画面と、判断の材料になるカルテと、手を動かせる機材です。iPadと模擬患者があれば、そのほとんどは作れます。
iPadを患者モニターに、iPhoneを指導者のリモコンにして使います。波形とバイタルを手元から変え、除細動器としても操作できます。模擬患者の横にiPadを1台置けば、それがモニターになります。
ブラウザで開くだけの模擬カルテです。31症例を収録し、開始時点ではその時刻までの記録しか見えません。指導者がフェーズを進めると、新しい記録や検査結果が届きます。1人で進める自己学習モードもあります。
実機のAEDに近い音声ガイダンスで、操作の訓練を繰り返せるアプリです。iPadとAEDパッド(別売)があれば、場所を選ばず実施できます。ショック適応・非適応を組み合わせた5種類のシナリオを収録しています。
人工呼吸器のアラームが鳴った場面を、一人で追体験できるアプリです。アラームに気づき、数値を見比べ、確認と処置を選び、結果を確かめて振り返る。判断の順番を自分の手でたどれます。
1つずつでも演習はできます。ただ、実際の急変では「これまで」を知っている人が「今」を見て、手を動かします。教材を分けたままだと、その順序が体験できません。
| 演習前・自己学習 | 模擬電子カルテの自己学習モードで、症例のカルテを読んでおく。当日いきなり情報を渡されるより、判断の土台ができます。 |
|---|---|
| 演習の前半 | 模擬電子カルテで患者の背景を読み、状態を評価する。指導者がフェーズを進めて情報を足す。「何が起きているか」を考える時間です。 |
| 演習の後半 | NCLS モニターを模擬患者の横に置き、波形とバイタルを変えていく。学習者はモニターとカルテの両方を見て判断する。「今」と「これまで」がそろいます。 |
| 心停止に至ったら | AEDシミュレーターで実際にパッドを貼り、音声に従って手を動かす。模擬電子カルテの蘇生記録シートで時刻を記録する。圧迫の中断時間と圧迫比率が数値で出るので、デブリーフィングで示せます。 |
| 振り返り | 模擬電子カルテのタイムラインで「異変から医師報告まで何分」を確認し、模範記録と自分の記録を見比べる。採点ではなく、判断のタイミングを本人が見るためのものです。 |